20cm【BG】 ページ6
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夏休み、図書室。
窓の向こうでは本を読むにはすこし耳障りな蝉の声がけたたましく鳴り響いている。
大きな机に広がった課題に囲まれる中、数学の公式を解く手を止めてちらりと視線をあげると、同じように黙々とシャープペンを走らせるボムギュの姿があった。
彼とは小さい頃から家族ぐるみの付き合いで、高校までずっと一緒に育ってきたいわゆる幼馴染だ。何をする時もずっとそばにいて、ともに馬鹿やってきた悪友でもある。
小さい頃は女の子と見間違うくらいに可愛くって、身長も私と変わらなかったのに、少し知らない間にとっくに私を抜き去ってしまった。
そのせいもあってか、高校生になったボムギュはそのルックスとプロポーション、明るい性格から女子にも男子にも大人気で、そろそろ彼女なんか作ってついに私から離れていくのかなあ〜なんて漠然と考えていたけど、特にそんな素振りもなく変わらず私の隣にいる。
かくいう私はというと、それはもう相当昔から彼の事が好きだ。
彼の隣は居心地がいいし、着飾らない自分でいられる。小さい頃から好きだったけど、成長するにつれて時折見せる男らしさにもまんまと落ちてしまって。
でも、想いを伝えてこの関係が崩れてしまうのは絶対に嫌だ。彼のそばにいるためにも、私はこの恋心を墓まで持っていくことに決めたのだった。
「A、さっきから手が止まってるけど？」
「えっ」
突然名前を呼ばれて我に返ると、彼は頬杖をついて私を見つめていた。
「あ、いや、ちょっと休憩しよっかな〜と思って」
「ふ〜ん、何だ、僕に見とれてたのかと思った」
「調子にのんなし、何年一緒にいると思ってんの？むしろ見飽きたくらいだわ」
「うわ！僕にそんなこと言えるのお前くらいだろ...贅沢言うなし」
「そういうの自分で言っちゃうとこウザイよね」
「だってホントの事だもん」
「言い返せないのがめちゃくちゃ腹立つ」
こうやって言い合うのも日常茶飯事。
本当可愛くね〜！ってケラケラ笑う彼を見て、他愛も無い話が出来る嬉しさを感じると同時に、女として見られていないことを実感して少し虚しくなる。
「...勉強飽きちゃったし、なんか本でも読もうかな〜」
「ん、僕はファンタジーの気分」
「適当に取ってくるわ」
スマホをいじり出した彼を置いて、本棚へと向かう。先程感じた虚しさからか、なんだかすぐに彼から離れたい気分だった。
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るちる(プロフ) - ガフィさん» ガフィさんありがとうございます！そう言って頂けて本当に嬉しいです...！これからも頑張って更新しますので、よろしくお願いいたします☺︎︎︎︎ (7月19日 12時) (
レス) id: ed32ac0ac7 (このIDを非表示/違反報告)
ガフィ - めっちゃこの小説好きです！！大好きです！更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (7月17日 18時) (レス) @page5 id: ae97ca80d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るちる | 作成日時：2023年7月11日 1時
