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缶も取ってもらったことだし、準備の続きをしようとした時にふと気づく。スビンが両手をキッチンについているので、身動きが取れない。
「もう分かったから〜...準備するから退いて」
「...やだ」
「えっ、ちょっ...」
何をしだすかと思えば、スビンはそのまま私の腰に手を回してぎゅうっと抱き締めてきた。
「つかまえた」
身長差のせいでいつもは遠い彼の声が、背を折り曲げて耳元に唇を寄せてくるからその分間近に聞こえて、びくりと反応してしまう。
「...Aちゃん、ドキドキしてる」
「だれのせいだと...」
「う〜ん、誰だろう」
「もう...分かってるくせに！」
「あはは、ごめんごめん。怒らないでよ〜」
朗らかに笑ってその大きな両手で私の頬を包むと、釣られるように見上げた目をじっと見つめて、それにねと続ける。
「僕はもっとAちゃんに頼られたいんだよ」
「...え？」
「さっきみたいに高いところの物を取ろうとした時もそう。Aちゃんはなんでもひとりで頑張ろうとする」
私を見つめるその目は、少し悲しそうに揺れる。
「頑張ってるAちゃんはすごいと思うしそういう所が好きだし尊敬してるけど、僕達これからずっと一緒に生きていくんだから、もっとAちゃんと支え合っていきたい」
「Aちゃんが、僕の足りない部分を補ってくれるように、僕もAちゃんの足りない部分を補いたい。
だから、僕をもっと頼ってください」
大きな手から伝わる温かさと、真っ直ぐな瞳に、思わず涙が溢れた。
「わっ...どうしよう、ごめん、泣かせるつもりはなくて...！」
「ううんっ....、違うの、うれしくて、」
身長も性格も何もかも真逆で、お互い不器用だけれど。
二人一緒なら助け合って補い合っていける。
「十分頼りにしてるよ、だからこれからもよろしくね」
「！...うん、大好きだよ、A」
お互いに額を寄せて、笑い合う。
どんな困難が待っていても、彼の隣でなら生きていける。
心からそう思えた。
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るちる(プロフ) - ガフィさん» ガフィさんありがとうございます！そう言って頂けて本当に嬉しいです...！これからも頑張って更新しますので、よろしくお願いいたします☺︎︎︎︎ (7月19日 12時) (
レス) id: ed32ac0ac7 (このIDを非表示/違反報告)
ガフィ - めっちゃこの小説好きです！！大好きです！更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (7月17日 18時) (レス) @page5 id: ae97ca80d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るちる | 作成日時：2023年7月11日 1時
