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20cm【SB】 ページ2




「ん〜っ....ダメだ....届かない....なんであんなとこに置いたのよ...」

ぽかぽか陽気のある日の休日、一緒に住むスビンを叩き起して朝から部屋のお掃除。洗濯物を回してお布団を干して、掃除機をかける。

スビンと私は、性格からなにから全てが正反対だ。

身長だってそう。周りと比べると身長は高い方だけれど、スビンと比べると頭ひとつ分くらい違う。

掃除に関してもそれは例外ではなく、のんびりマイペースな彼との作業はなかなか進まない。その分私がテキパキと色々終わらせていくから別に困らないんだけれど。

なんとか一段落して、休憩がてらおやつタイムにしようと提案すると、彼は分かりやすく表情を明るくして「手、洗ってくる!」と慌ただしく小走りで洗面所に消えた。

急がなくてもおやつは逃げないのになあ、
その後ろ姿を見送って、ジュースやお菓子を準備しようとキッチンに向かった。

先日2人で出かけた時に買ったクッキーを出そうかなと思い付いて、いつもお菓子をしまっているキッチン上の戸棚を開けると、私では到底届かない場所にそのクッキーが入っている缶を見つけた。

荷物を持ってくれていたスビンにしまっておいてと頼んだのは私だったけど、まさかこんな高いところに置くとは思わないじゃん...もしや、1人でこっそり独り占めしようとしてたの???

心の中で薄情なスビンを恨みながら、なんとかキッチンに身を乗り出して取ろうと試みる。指先がやっと缶に触れて、もう少し。

その時、後ろから大きな影が差した。
影は私よりもひとまわりもふたまわりも大きな手でお目当ての缶をいとも簡単に取ると、そのまま私の目の前に置いた。

振り返って顔を上げると、スビナはムスッと頬を膨らませて私を見下ろしていた。

「もう、高いところの物を取るなら僕を呼んでよ」

「スビナがこんなところに置くからじゃん!さては、独り占めしようとしてたんでしょ」

「違うよ〜そんなわけないじゃん!これを食べるときはAちゃんと一緒が良いなって思ってたからそれまでしまっておこうと思ってたの」

「...ほんとに?」

「ほんとだってば、信じてよ〜」

キッチンとスビンに挟まれて、彼は私の頭に自身の額を擦り寄せた。おねだりする子供のような可愛い反応に思わずぐっと息を堪えた。本当に私は彼に弱い。

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るちる(プロフ) - ガフィさん» ガフィさんありがとうございます!そう言って頂けて本当に嬉しいです...!これからも頑張って更新しますので、よろしくお願いいたします☺︎︎︎︎ (7月19日 12時) (レス) id: ed32ac0ac7 (このIDを非表示/違反報告)
ガフィ - めっちゃこの小説好きです!!大好きです!更新楽しみにしてます。頑張ってください! (7月17日 18時) (レス) @page5 id: ae97ca80d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るちる | 作成日時:2023年7月11日 1時

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