煉獄杏寿郎の歪んだ愛 弐

愛67 ページ18

し「そうですか。分かりました。貴方ならそう言うと思っていました。」




しのぶさんに産むことを伝えれば笑顔でそう言われた。




し「さぁ、もう夜も遅いです。妊婦なんですからしっかり体調管理をして下さいね。」


『はい。』




ぐいぐいと背中を押され廊下に向かう。





し「おやすみなさい。」


『しのぶさんも、早く寝て下さいね。おやすみなさい。』





しのぶさんの少し目の下に隈があったのでそういえばよく見てますねと言われた。









し「…どうして、無理矢理孕まされたのに…憎まないんですか…。」




私が部屋に戻った後、しのぶさんが悲しそうに呟いていたことを私は知らない。









_______________


杏寿郎side




童磨を使って調べさせたところ、胡蝶の所にいるらしい。





童「しのぶちゃん可愛かったなぁ〜。また会いたいなぁ〜。」


杏「また殺されたいのか？」





そう聞けば童磨は笑うだけで質問に答えようとしなかった。





童「居場所は分かったけど問題はどうやって連れて来るかでしょ？どうしたらいいと思う？猗窩座殿。」


猗「知らん話しかけるな。」






童磨に無理矢理連れて来られ不機嫌な猗窩座はイライラしながら返事をした。





猗「だが彼奴らは必死にAを取り戻したからな。もうそう簡単には連れ去れないぞ。」


杏「むぅ。」






そんな事は分かっている。



どうにかしてAと柱達を離さなければならないが必ず誰かがいるのだ。


Aが一人の時がない。



何か。




何かAが一人になる方法はないか。




彼奴らは外に出さないだろうからAが一人の時にどうにかしなければならない。






童「まぁ、もう少ししたら警戒心も解けるんじゃない？それまで待ってなよ。」


杏「待てないから考えているのだろう。」






うーんと頭を捻る。



何か使えるものはないか。



やはり警戒心が解けるまで待つしかないか。






杏「……あ。」





そういえば、前にAが逃げようとしたから仕置きで動画を撮ったのだ。




もしかしたら使えるかもしれない。






杏「猗窩座、童磨、頼みがあるんだが────」





この方法なら、Aから戻ってきてくれるかもしれない。

愛68→←愛66

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す