煉獄杏寿郎の歪んだ愛 弐

愛65 ページ16

杏寿郎side




杏「貴様どういうつもりだ？」





相手の胸ぐらを掴み壁に叩きつける。


だが相手はにこにこと笑っているだけだから余計に腹が立つ。





童「そんなに怒らないでおくれよ。杏寿郎殿。」


杏「はっ、怒るなだと？お前のせいでAが連れ去られたんだ。」






Aがいなくなり、あの会場の防犯カメラを調べたところ、宇髄達がいた。



しかも火をつけたのは童磨で、Aを宇髄達に渡したのも童磨だった。





童「ほら、あれだよ。好きな子を取られた方が燃えるだろ？吊り橋効果でAちゃんがもっと杏寿郎殿のこと好きに………」





くだらない妄言を吐く童磨の顔を殴る。


腹に蹴りを入れ頭を壁に叩きつける。


さらに殴ろうとすると童磨は少し慌てたように顔の前に腕を翳す。




童「ちょっと待っておくれよ。鼻血出てるから。
でもAちゃんを孕ませたんでしょ？ならAちゃんは必ず戻って来てくれるよ。」


杏「確かに孕ませたが何故お前がそれを知っている。気持ちの悪い奴だな。」





Aは気付いていなかったがあれは確実に孕んでいた。


ただあのパーティーまでの間に会ったのは猗窩座だけだ。





童「Aちゃんをお姫様抱っこしたからね！すぐに分かったよ！！」


杏「お前が変態なのはよく伝わった。もう怒る気も失せたから消えろ。」





額に手を当ててため息をつけば童磨は鼻血を流し笑いながら部屋から出て行った。






なんでいつも手のひらから零れ落ちる？




どうして大事にしまっておいても必ず奪われる？





俺のものなのに。






まぁいい。



また取り返せばいい。



Aは子供がいるなら無駄な抵抗はしないだろう。



そうしたら今度こそどこにも出さず閉じ込めればいい。


いっその事足を切り落としてしまおうか。


確か腱を切れば足は使い物にならなくなる。






A。 A。






俺はお前がいないと駄目なんだ。




恐怖を植え込んだはずだ。


恐怖がある限り俺はAの中に永遠と巣食う。



長い時間をかけてやっと出来たんだ。




絶対に離さない。

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