愛41 ページ41
目が覚めると、見たことのない天井が目に入った。
背中に感じる柔らかい感触から布団に寝かされているのだと理解する。
右足首に何か付いている。
首を動かして見てみれば、
『……え?』
ジャラ、と足枷が付いていた。
さぁ、と血の気が引く。
『なにっ、やだ、なんでっ、』
起き上がり必死に取ろうと鎖を引っ張ったり叩いたりする。
取れないと分かっていても、どうしても外したくて暴れていた。
不安で、恐怖で涙がじわりと浮かんで来た時後ろから抱き締められた。
杏「どうした?」
『杏、寿郎…。』
私の手元を見て杏寿郎はああ、これかと言うとその足首にそっと唇を落とした。
杏「これでもう邪魔する奴はいない。ずっと二人で居れるんだ。愛してるA。」
もう、離さない。
そう耳元で囁かれ、涙が頬を伝った。
_______________
部屋には色々と物が置いてあり、暇潰しが出来そうなものがあった。
また、足枷の鎖は部屋の隅から隅まで歩けるぐらい長い。
部屋の中をぐるりと見回す。
鏡台や本棚、机など。
鏡台には数多くの化粧品が並んでいる。
また、琵琶や琴が置いてある。
本棚にもぎっしりと本が詰まっており、しばらく暇は潰せそうだ。
だけど今はそれどころじゃない。
障子があり、そこから縁側に出れるが鎖で外に下りる事は出来ない。
日本家屋は広いし構造が分からない。
杏寿郎の事だからここはかなり広い所なのだろう。
着物の袖をぎゅっと握る。
きっともう逃げられない。
多分杏寿郎はここまで計画していたのだろう。
ふと、昨日の皆の顔が浮かぶ。
昨日、正直に言っていたらこうはならなかったのだろうか。
いや、言ったら他に何か被害があったかもしれない。
杏寿郎は欲しい物は意地でも手に入れるから。
皆に何か無かったのならこれで良かったんだ。
助けて欲しいという心の声に耳を背け、必死にそう思い込んだ。
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椿(プロフ) - ゆっきぃさん» ありがとうございます!!楽しんでいただけて嬉しいです!!これからも更新頑張ります!! (2019年11月10日 14時) (レス) id: cae380dc3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきぃ - やっぱり最高です…!!!なんかもう炭治郎が目撃しちゃったけどまだ真実バラすなとか思っちゃってます(ヤンデレ最高です…!これからも頑張ってください!! (2019年11月10日 14時) (レス) id: 103a520591 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 天華さん» そんな事ないですよ。私も書きながらぐへへへ言っている変態ですから…!(`・ω・´)キリッ読んでいただきありがとうございます!これからも頑張ります!! (2019年11月9日 23時) (レス) id: cae380dc3e (このIDを非表示/違反報告)
天華 - 待って、ヤバい、好き。ヤンデレを見て興奮している私は・・・・変態....!? (2019年11月9日 22時) (レス) id: f946edc931 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - あおさん» ありがとうございます!!これからも楽しんで頂けるよう頑張ります!!! (2019年11月9日 20時) (レス) id: cae380dc3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 x他1人 | 作成日時:2019年10月19日 16時