煉獄杏寿郎の歪んだ愛

愛14 ページ14

杏寿郎side




パタタ、と血が垂れる。


Aが鼻を押さえて止血しようとするがなかなか止まらず床に血が滴り落ち、畳に赤黒い染みをつくる。


床に倒れ込んだAの足を掴み引きずり寄せると馬乗りになる。



杏「お前は、俺から逃げようと考えているな？」


そう聞くと違うと、必死に首を横に振る。


Aが着ている寝巻きの浴衣が少しはだけ左肩が露になっている。



杏「では何故、今日竈門が言ったことに何も言わなかった？」



首にそっと手を添える。


片手で収まってしまうほど細い首は赤くなっていて、今までに何度首を絞められたのかを物語っている。



『あれ、は、…なんて…言え、ばいいのか、分からなく……うぐっ』



手に力を入れれば簡単に首が絞まる。


泣きながら必死に俺の手を外そうと藻掻くが、せいぜい薄く引っかき傷が残る位で全く意味をなさない。






そういえば、前世はいつも恨み言を言っていたなと思う。



弱いのに必死に俺を睨みつけ抵抗していた。


俺が任務から帰ると少しがっかりしたような顔をしていた。






それでも。





俺が怪我をすれば青ざめて近寄って来て。




柱を辞めた時はそっと俺の潰れた目をそっとなぞった。



今までの罪滅ぼしなのか、抵抗しなくなった。





思い出したのはAを無理矢理抱いた時だ。


必死に酸素を取り込んで、苦痛に耐え声を出さずに泣くAの顔を見た瞬間全てを思い出した。









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俺が、Aを殺して自害した事も思い出した。

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