傷害事件 ページ34
聡side
「モニター付けます！」
「ルート確保しました！刺入部も安定してます！」
「CTの画像出ました！」
ストレッチャーが処置室へと運び込まれ、いつものようにスタッフ達が慌ただしく走り回る
唯一いつもと違うのは、その中心で横たわっているのが自分の双子の兄だということ
風「やっぱり腹部大動脈は逸れてるな…明らかな臓器損傷もなし……後は開腹してみないことには分からないってとこか…」
CT画像を睨むようにして風磨兄ちゃんが呟く
確かにおびただしい程の出血量ではないが、刺さったままの凶器があまりに痛々しくて、僕は思わず目を逸らしてしまう
風「開腹してまずは凶器の抜去！それから損傷箇所の縫合するから準備して！」
聡「…はい！」
風磨兄ちゃんの声を皮切りに緊急オペの準備が進められていく。僕も意識して平静を保とうとするが、その声はどうしても震えてしまうのだ
救命医「よし、胃や結腸からの出血はないな」
看護師「バイタル安定しています」
風「……っ！届いた、抜去します！」
見た目はかなり痛々しいが、順調に進んでいくオペ
風磨兄ちゃんの声と共に、いよいよ刺さったままになっていた凶器が抜き取られる
救命医「抜けたか！？」
聡「……っ！」
看護師「……先生！！出血が…っ…！！」
風「……っ」
しかし凶器を抜き取った途端
ドクドクと勢いよく流れ出して行く大量の血液
ﾋﾟｺﾝｯﾋﾟｺﾝｯﾋﾟｺﾝ
看護師「先生！血圧低下しています…！」
風「輸血追加して！！」
救命医「急いで縫合しましょう！！」
聡「……っ」
途端に騒がしくなる処置室内
術野が血液で見えなくなってしまわないように吸引をしている自分の手も、恐怖で震えているのが分かる
看護師「先生っ！血圧70切りました……！！」
先輩の悲鳴のような声の後
気付くと僕は、涙で声を震わせながら
人目も憚らずに思いっきり叫んでいた
聡「………っ、勝利！！！！！」
世界でたった一人の
自分の半身である兄の名前を
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紫苑(プロフ) - 雨さん» そのように言って頂けてとても励みになります！ありがとうございます！これからも読んでいただけるよう更新頑張ります😊 (2022年2月18日 23時) (
レス) id: 5a1aac4853 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - いつも見てます！紫苑さんのペースで頑張ってください！お話大好きです！ (2022年2月17日 0時) (レス) id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 雨さん» 雨さんリクエストありがとうございます。なるべく早く更新できるよう善処しますので、暫くお待ちいただけますと幸いです😊 (2022年2月16日 23時) (レス) id: 06fd90b932 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 健人くんの胃潰瘍のお話がみたいです (2022年2月16日 8時) (レス) id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 中途半端でもいいのでお願いします (2022年2月13日 0時) (レス) id: 5e65e2d11c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑 | 作成日時：2022年1月30日 0時
