傷害事件（勝利） ページ31
勝利side
勝「はああぁ、終わった〜！」
岸「今日もバタバタだった……」
勝「だね。まぁ繁忙期だから仕方ないけど」
ようやく仕事が片付き、同期の岸と共にタイムカードを切りながら職員出口を通過する
外に出るともう空は真っ黒だった
勝「じゃあ俺車あっちだから」
岸「ん、じゃあまた明日」
職員駐車場で岸と分かれ、自分の愛車へ向かう
今日は確か健人兄ちゃんとマリウスが家にいたはずだから、今夜の夕食は洋食系かな〜なんて考えてたらお腹が鳴り出した
勝「早く帰ろ…………ん？」
独り言を呟きながらドアに手を掛けた時
微かに近くから子供の泣き声のような声が聞こえた気がして立ち止まる
勝「………」
「うわあああん」
もう一度耳を澄ますと、今度ははっきりと聞こえた
それでもいまだに姿は見えない
勝「……どうしたの？どこに隠れてるの？」
「うわあああぁん」
勝「大丈夫だから、お顔見せてくれる？」
「………」
努めて優しい声色で何度か話し掛ける
すると次第に泣き声は止んで、暫くすると数台先の車の影から、パジャマ姿の小さな女の子がひょこりと顔を覗かせた
勝「もしかして君、うちの病院に入院してるの？」
「………」
見たことはない子だったけれど、こんな場所でパジャマ姿でいるなんてあまりに不自然で、小児科から脱走を図ったのかなと見当をつける
勝「お外に出て来たけど、どこに行ったらいいか分からなくなっちゃった？」
なるべく怖がらせないように意識しながら話し掛けると、女の子はおずおずといった様子で頷いた
「ママに、あいたくて…ﾋｸｯ…お外…っ、きたけど……まっくらだったの……ｸﾞｽｯ…うわあああん」
そして再び火が付いたように泣き出した女の子
俺は堪らずその子の手を握って頭を撫でる
勝「そっか…怖かったね……
でも君がここにいたらママもパパも、病院のお姉さんやお兄さんたちも心配しちゃうから、僕と一緒に戻ろう？」
繰り返し宥めるように頭を撫でてそう告げると
暫くして女の子は目を真っ赤にしながら頷いてくれた
勝「じゃあ行こっか」
立ち上がり女の子の手を握る
するとその瞬間
「待ちなさい！！！！」
「どけ！！！！！」
こちらに向かって走ってくる警備員と不審な男の姿
勝「危ない！！！」
気付いた時には
俺は隣にいた女の子に覆い被さっていて
「お兄ちゃん！！！」
悲鳴のようなその子の声を最後に
俺は意識を手放した
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紫苑(プロフ) - 雨さん» そのように言って頂けてとても励みになります！ありがとうございます！これからも読んでいただけるよう更新頑張ります😊 (2022年2月18日 23時) (
レス) id: 5a1aac4853 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - いつも見てます！紫苑さんのペースで頑張ってください！お話大好きです！ (2022年2月17日 0時) (レス) id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 雨さん» 雨さんリクエストありがとうございます。なるべく早く更新できるよう善処しますので、暫くお待ちいただけますと幸いです😊 (2022年2月16日 23時) (レス) id: 06fd90b932 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 健人くんの胃潰瘍のお話がみたいです (2022年2月16日 8時) (レス) id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 中途半端でもいいのでお願いします (2022年2月13日 0時) (レス) id: 5e65e2d11c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑 | 作成日時：2022年1月30日 0時
