脳血管疾患 ページ25
マリウスside
自室で気になっていた医学雑誌を読んでいると、ドンッと遠くで何かが倒れるような物音がした
嫌な予感がして急いで階段を駆け降り客間に向かうと、そこには頭を押さえて倒れ込んでいる健人兄ちゃんと、半泣きになりながら健人兄ちゃんの名前を叫んでいる聡兄ちゃんの姿が
マ「何があったの……？！」
聡「マリ！救急車呼んで！健人兄ちゃん急に倒れて、脚に力が入らないって言ってるから絶対おかしい…！」
マ「……っ！」
脚に力が入らないと聞いて瞬時に嫌な予感が走る
僕は聡兄ちゃんに言われた通り急いで救急車要請をかけ、健人兄ちゃんのそばに駆け寄った
マ「健人兄ちゃんわかる…？！
手は動く？ボクの手握れそう…？」
健「……っ、手も…痺れて……」
辛うじてボクの手に触れることは出来るが力を込めることは出来ず、ダラリと投げ出された右手
ボクは全身から冷や汗が流れるのを感じながらその手を取って力強く握った
マ「今救急車呼んだからね。絶対大丈夫だから、もう少し頑張って健人兄ちゃん…！」
聡「僕もマリウスもそばにいるからね…っ」
反対側から聡兄ちゃんも必死で声を掛ける
健人兄ちゃんは頭痛に耐えるように口をぎゅっと結び、眉間に皺を寄せている
マ「気持ち悪かったら、出しちゃってもいいからね」
健「………ゔっ、…ｵｪｯ…ｹﾞﾎｯ…」
聡「健人兄ちゃん……」
袋を差し出すとそこに少量吐瀉物が吐き出される
恐らく目眩による吐き気だろうから、吐き出したところで特段に楽になる訳でもないのがもどかしい
救急隊員「同乗者はお二人で宜しいですか？！」
聡「はい！僕らは弟で、兄も◯◯病院に勤務しているので、◯◯病院まで搬送をお願いします！」
救急隊員「わかりました！」
搬送中、車内の小さな揺れさえも頭に響くようで、何度も繰り返し吐いてしまう健人兄ちゃん
そんな姿を見ているのはとても辛かった
この後恐らく開頭オペになるであろうことも怖かったし、万が一麻痺が残ったら……とか、色々と嫌な想像をしてしまうのも怖かった
聡「……風磨兄ちゃん？うん、うん……今ね…健人兄ちゃん倒れてそっちに搬送してもらってるから……そう、脳外オペになるかも……僕もマリウスも一緒に向かってる……そう、お願いね」
聡兄ちゃんが冷静に風磨兄ちゃんと連絡を取り合っている声を聞きながら
ボクはただただ健人兄ちゃんの手を
祈るように握っていた
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紫苑(プロフ) - 雨さん» そのように言って頂けてとても励みになります！ありがとうございます！これからも読んでいただけるよう更新頑張ります😊 (2022年2月18日 23時) (
レス) id: 5a1aac4853 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - いつも見てます！紫苑さんのペースで頑張ってください！お話大好きです！ (2022年2月17日 0時) (レス) id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 雨さん» 雨さんリクエストありがとうございます。なるべく早く更新できるよう善処しますので、暫くお待ちいただけますと幸いです😊 (2022年2月16日 23時) (レス) id: 06fd90b932 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 健人くんの胃潰瘍のお話がみたいです (2022年2月16日 8時) (レス) id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 中途半端でもいいのでお願いします (2022年2月13日 0時) (レス) id: 5e65e2d11c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑 | 作成日時：2022年1月30日 0時
