交通事故 ページ17
風磨side
勝利からの知らせを受けてICUに向かうと、そこには穏やかな顔で眠っている兄貴の姿があった
勝「一回意識戻ったんだけどまだ麻酔が効いてるみたい…すぐまた眠っちゃって話は出来なかったよ」
風「そっか、まぁでもとりあえず一回でも起きてくれたなら安心だわ」
勝「うん」
安堵からか泣きそうな顔をグシャグシャと撫で回すと、風磨兄ちゃんやめてよと言いながら少しだけ笑顔を見せる勝利。それに俺もようやく緊張の糸が解けた気がした
健「……っ」
風「……ｯ、兄貴…？！わかるか？？」
それからまた少し時間が経って手術翌々日の夕刻頃、兄貴はようやく目を覚ました
風「悪い、麻酔効いてるうちに抜管出来たら良かったんだけどまだ状態が安定してなかったから……ごめんな兄貴、痛いけど一瞬我慢して」
健「……っ！、ごほっごほっごほっ…！」
風「よしオッケ。兄貴大丈夫か？」
健「ゲホゲホッ……ｯ、喉いてぇ……」
風「ちゃんと声も出るな、良かった」
抜管が終わり、自発呼吸も安定して声も出せていることに一先ず深く安心する
健「おれ……何が……」
勝「健人兄ちゃん俺を庇って事故に遭ったんだよ！
バイクに轢き逃げされて……ｯ、犯人は捕まったけど2日間意識戻らなくて本当に心配したんだから…！」
健「そうか………」
涙が止まらない様子の勝利が顔をグシャグシャにしながら兄貴の手を握ると、兄貴はその手で勝利の頭を優しく撫でる
健「…勝利が、怪我しなくて……よかった…」
勝「…ｯ……ぜん、っ…全然…よくないよ…っ……本当……怖かったんだからぁ…！」
健「……うん、ごめんな」
勝「……ｸﾞｽｯ……健人兄ちゃんが、無事で…っ、よかった……庇ってくれて……ありがとう」
二人のやり取りを見て
俺も心底良かったと胸を撫で下ろす
もしこれで兄貴がずっと目覚めなかったりしたら、庇われた勝利が負う心の傷は一生消えないだろう
何より、俺自身が兄貴のいない生活なんて考えられないから、本当に助かって良かった
風「……っ」
ただ俺にはこの後、主治医として
兄貴に説明しなければならないことがある
俺の判断ミスで彼の今後の人生を左右してしまったかもしれない…そう思うと、津波のように押し寄せる後悔に、俺は息が出来なくなりそうだった
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紫苑(プロフ) - 雨さん» そのように言って頂けてとても励みになります！ありがとうございます！これからも読んでいただけるよう更新頑張ります😊 (2022年2月18日 23時) (
レス) id: 5a1aac4853 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - いつも見てます！紫苑さんのペースで頑張ってください！お話大好きです！ (2022年2月17日 0時) (レス) id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 雨さん» 雨さんリクエストありがとうございます。なるべく早く更新できるよう善処しますので、暫くお待ちいただけますと幸いです😊 (2022年2月16日 23時) (レス) id: 06fd90b932 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 健人くんの胃潰瘍のお話がみたいです (2022年2月16日 8時) (レス) id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 中途半端でもいいのでお願いします (2022年2月13日 0時) (レス) id: 5e65e2d11c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑 | 作成日時：2022年1月30日 0時
