セクゾ兄弟はお医者さん２

喘息再発 ページ11

健人side



なんだろう……頭がふわふわする
俺どうなったんだっけ……？

たしか息苦しさで目が覚めて、呼吸もままならなくなってそれで…あぁそうだ、倒れたのか


やっちゃったな……
マリウスのこと、きっとすごく悲しませただろうな

昔は泣き虫でよく拗ねて泣いてたけど、最近は滅多なことでは泣かなくなったマリウス
もし泣かせていたとしたら、兄として本当に情けない
アイツはめちゃくちゃ頑張ってくれてたのに


あぁ、早く、頭を撫でてギュッと抱きしめてやりたい
そうするといつも、マリウスはあのハート型のお口で、可愛く笑ってくれるから




健｢………っ｣

マ｢…ｯ…健人兄ちゃん？！｣



目が覚めると、案の定視界には目元を真っ赤に腫らしたマリウスの顔が1番に飛び込んできた
肌が白いから余計に赤みが際立って、それが痛々しくて、今すぐに指先で涙を拭ってあげたかったが、思うように身体が動かない

見ると腕には点滴が数本、胸元は大きなモニターに繋がれて、口元には酸素マスクまで付けられている

ずいぶんと大袈裟な騒ぎになったものだとどこか他人事のように考えながら、もう一度辺りを見渡すと、そこにはマリウスだけでなく、弟全員の姿があった


聡「あぁ、やっと目覚めた！
健人兄ちゃんよかったぁ〜ほんと心配したよぉ〜」

眉を下げてこちらに擦り寄ってくる聡

勝「ほんと、無事でよかった」

穏やかな顔で微笑む勝利

風「兄貴身体は？もう平気？」

珍しくストレートに心配してくれる風磨

マ「…よかった……ほんとよかった…」

俺の手に頬を擦り寄せて泣いているマリウス


リアクションは各々違うけれど、全員から俺を心配する気持ちがひしひしと伝わってきて、居た堪れない気持ちになる



健「……みん、な……ごめ…な…」

勝「ううん、謝らないで
無事だったら、それだけで十分だから」

聡「そうそう！」

風「それに急な発作でしょ？仕方ないって」


いつものことながら
俺は弟達の優しさに毎回救われている

再発してからというもの、もう何回も、本当に何回も心配と気苦労を掛けてきた
それなのに一切責めも、怒りもせず、毎回こうしてただ無事を喜んでくれて


特にマリウスには、本当に頭が上がらない

主治医として共に一喜一憂しながら、再発してからこれまでずっと、完治までの道を一緒に模索してくれた


それなのに今回、俺の判断で勝手に薬を止めて、勝手に発作を起こした……責められたって仕方がないし、呆れられたって可笑しくない

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