マールブルグ病 ページ35
S.Sside
マ「聡兄ちゃん、大丈夫かな…？」
マリウスの不安気な声が、静かな夜のICU内に響く
今はマリウスと2人で健人兄ちゃんのベッドを囲んで、松村さんに連れて行かれた聡の帰りを待っているところだ
勝「大丈夫だよ、俺たちより同じチームの人との方が話せることもあるだろうしさ」
つい先程、ここで聡と軽い言い合いになった時の事を思い出す
俺と聡は双子で、一番心が通じ合っているなと思える存在であり、それと同時に、一番お互いを意識するライバルでもあって。だけど、あんな風にお互いの意見を強めに主張し合った経験は実は初めてで
いつも穏和な聡が、あれほど余裕をなくしてしまうくらいショックな出来事だったのかと思うと、心配で仕方がなかった
今俺たちが力になれることはあまりないかもしれないけれど、先輩と話して、少しでも聡の心のわだかまりが解けるといいなと思う
ピピピピッ
そんなことぼんやり考えていたら、健人兄ちゃんの身体に繋がれたモニターから、突然異常を知らせるアラームが鳴り響いた
途端にバタバタと騒がしくなるICU内
看護師「…っ！○○先生呼んできます！」
しかも、ちょうどICUの当直医が席を外していたタイミングだったようで、現場はパニック状態に陥る
マ「健人兄ちゃん！しっかり！」
非常事態に声を震わせながらも、健人兄ちゃんの胸元に聴診器を当て、呼吸の異常などを確かめるマリウス
俺も内心焦りながら、血圧や心拍数のモニタリングに取り掛かる
しかし俺もマリウスも感染症関連は門外漢
どう対処するべきかわからず、気持ちばかりが焦る
聡「…健人兄ちゃん！！！」
するとそこに駆け付けて来たのは、先程松村さんと連れ立って部屋を出て行ったばかりの聡
そして今まさに目の前に広がるのは、恐らく今朝、聡の心に深い傷を残したであろうシチュエーションと奇しくも同じ、急変の事態
勝「聡！来ちゃダメだ！！」
思わず叫ぶ
このショッキングな光景をまた目の当たりにして、聡の心により深い傷が残ってしまったら……そう考えたら俺は無我夢中で、聡を遠ざけよう必死だった
聡「勝利、輸液の追加量指示を！！」
だけど俺の制止に反してこちらまで駆け寄って来た聡は、テキパキと今点滴が入っているのとは別の血管でルートを確保し始める
聡「勝利、ルート確保終わった！輸血は？！」
顔を上げて俺に指示を仰ぐ聡
その表情には
もう先程までの迷いは一切見えなかった
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紫苑(プロフ) - 紗瑛さん» お返事遅くなり申し訳ございません。嬉しいお言葉ありがとうございます。更新頑張ります！ (2021年8月18日 19時) (
レス) id: 39722e53c4 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 空楽さん» お返事遅くなり申し訳ございません。そのように言っていただけて光栄です！8月後半は更新頑張りますのでまた呼んでいただけますと幸いです！ (2021年8月18日 19時) (レス) id: 39722e53c4 (このIDを非表示/違反報告)
紗瑛 - 更新楽しみにしています！ (2021年8月12日 21時) (レス) id: 2dcb5022ff (このIDを非表示/違反報告)
空楽 - 更新楽しみにしてます！ (2021年8月7日 1時) (レス) id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - SZ*青薔薇さん» いつもコメントありがとうございます！共感して頂けて嬉しいです！笑 青薔薇さんの作品もいつも楽しみにしています！これからも応援してます！ (2021年8月2日 0時) (レス) id: 39722e53c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑 | 作成日時：2021年7月3日 2時
