セクゾ兄弟はお医者さん

風邪（勝利） ページ17

K.Nside



ベッドに横になりながら顔を真っ赤にさせている勝利。その額にはじんわりと汗が浮かび、心なしか息遣いも荒い


健「勝利、流石にこれは休んでいいレベルだって」

勝「ﾊｧﾊｧ…っダメだよ、オペ控えてる患者さんの回診…絶対、出なきゃっ…」

健「今回は他の人に頼もう？」

勝「ダメっ…俺を頼ってくれてるのに…オペ前で絶対…っ精神的にも不安だろうし…」

健「勝利…」




勝利が今担当している心疾患の患者さん。若い女性で歳も勝利と同世代、大病をするのが初めてで、不安でいっぱいの中担当医になった勝利を、かなり信頼して頼りにしているとは聞いていた


そんな患者さんのオペ前ともなれば、しっかり経過を把握しておきたいと思う気持ちは分からなくもない
分からなくもないが、体が資本の医者が、自分まで無茶をして倒れてしまっては元も子もないだろう



こういう責任感を感じ過ぎて過剰に抱え込んでしまう性質は共感できる部分ではあるし、そういう真面目さが勝利の魅力の一つだと思う

だけど今回ばっかりは、知ってしまった以上見過ごすわけにはいかない




健「…とりあえず今日はゆっくり寝て
明日朝測って37.5℃超えてなかったら、その時はまた考えることにしよう」

勝「……わかった、約束だよ」




めちゃくちゃ不服そうに、でもなんとか条件は飲んでくれた勝利




今の体温は38.8℃

それだけ顔を真っ赤にさせておいて、明日の朝急に37℃台前半までは下がらないだろうという見立てで、俺はこの条件を出した

これはちょっとした兄の意地悪だけど
弟を思う兄の愛情だから



健「悪く思わないでくれよ、勝利
…おやすみ」



そう声を潜めて、俺はゆっくりと部屋を出た

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