マールブルグ病 ページ38
M.Yside
聡兄ちゃんがそのまま出勤しに行ってからも、風磨兄ちゃん、勝利兄ちゃん、ボクの3人はずっと健人兄ちゃんの側から離れなかった
今日が山場だと言われたのもあって、離れるのも、眠ってしまうのも怖くて。どんなに身体が疲れていても、仮眠をとってはすぐに不安で目が覚めてしまう状態が続いていた
気付けば時間は夜の23時過ぎ
僕と勝利兄ちゃんがICUで過ごして丸1日半が経過していた
風「…2人とも流石にちょっと休憩してこい」
風磨兄ちゃんがこちらに心配を含んだ視線を向ける
別に大丈夫だよと答えながら、もう一度健人兄ちゃんの手を握ったその時
マ「……っ！動いた！！！！！」
風勝「「え！！！？？？」」
3人の視線が一斉にベッド上の健人兄ちゃんに集まる
すると健人兄ちゃんの身体が少し身じろぎして、急に手元が挿管チューブへと伸びる
風「危ない！！
兄貴？！わかるのか？！痛い？！」
自己抜去しそうになったのを風磨兄ちゃんが慌てて制止して声を掛ける。恐らく挿管の痛み刺激は感じているようだ
あと少し、あと少しで目覚める…！
勝「健人兄ちゃん！！起きて！！」
マ「起きて！！みんな待ってるよ！！」
健人兄ちゃんの肩口を軽く叩きながら呼び掛ける
とにかく目を覚ましてほしい一心で、3人で無我夢中になって叫んだ
健「………っ…」
すると程なくして
ゆっくりと健人兄ちゃんの瞳が開かれる
たった1日半だけど、もの凄く久しぶりに感じるその黒目がちな瞳を視界に捉えて、思わず頬にハラハラと雫が伝う
そして、暫くぼんやりと辺りを彷徨った健人兄ちゃんの視線は、ボクたちの姿を捉えた瞬間、泣きそうにくしゃりと歪められた
風「…った…本当によかった…ｸﾞｽｯ…
兄貴悪い、ちょっと苦しいと思うけど、先に喉のチューブ抜いちゅうな」
そう声を掛けた風磨兄ちゃんがその場で一気に挿管チューブを引き抜く。激しくムセ込む健人兄ちゃんの口元に酸素マスクが当てがわれると、徐々にSATは回復していった
健「……み、…な……」
酸素マスクに覆われて上手く話せない様子の健人兄ちゃん。だけどボクたちにとっては、無理に言葉を話さなくても、目が覚めた姿を見れただけでもう十分すぎるくらいに幸せで
マ「無理に喋らなくていいからね
疲れてるでしょ？もう少し寝ててもいいよ」
手を握りながらそう声を掛ける
すると健人兄ちゃんはコクリと頷き、再び夢の中に落ちていった
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紫苑(プロフ) - 紗瑛さん» お返事遅くなり申し訳ございません。嬉しいお言葉ありがとうございます。更新頑張ります！ (2021年8月18日 19時) (
レス) id: 39722e53c4 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 空楽さん» お返事遅くなり申し訳ございません。そのように言っていただけて光栄です！8月後半は更新頑張りますのでまた呼んでいただけますと幸いです！ (2021年8月18日 19時) (レス) id: 39722e53c4 (このIDを非表示/違反報告)
紗瑛 - 更新楽しみにしています！ (2021年8月12日 21時) (レス) id: 2dcb5022ff (このIDを非表示/違反報告)
空楽 - 更新楽しみにしてます！ (2021年8月7日 1時) (レス) id: 86d36c49a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - SZ*青薔薇さん» いつもコメントありがとうございます！共感して頂けて嬉しいです！笑 青薔薇さんの作品もいつも楽しみにしています！これからも応援してます！ (2021年8月2日 0時) (レス) id: 39722e53c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑 | 作成日時：2021年7月3日 2時
