そばにいるよ

過労と高熱 ページ10

健人side



そのあと何時間か眠って
次に目が覚めた時、病室内は普段と同じ賑やかさに包まれていた


マ「あ！ケンティー起きた！
よかった〜！本当にボクすっごく心配したんだよ！」

聡「ケンティー大丈夫？！
今は苦しくない？気持ち悪くない？」

勝「ちょっと二人とも、急に飛び付いたらケンティーだって困っちゃうって」



じゃれ合う3人を見ながら、そういえばドラマ撮影に入ってからメンバーとまともに食卓を囲むことも出来ていないことに気付く

聡ちゃんとマリウスがわいわい話して、勝利がそれを止めたり、時には聡マリに乗っかったり
その光景の懐かしさに浸っていると、慌てた顔をした聡ちゃんが俺の額に手を添える




聡「やっぱりまだ熱い！
どうしよどうしよ…苦しいよねケンティー
もっかい看護師さん呼ぶ？」


どうやら俺が返事をしなかったせいでまた具合が悪くなったと思っているらしい


すると横からスッと筋肉質な腕が伸びてきて、聡ちゃんのおでこにデコピンを一発食らわした



風「落ち着け」

聡「いたっ！！」

風「もう大丈夫だから
そんな勢いで来られたら中島も答えたくても答えられないだろ」

聡「そっかごめんごめん
ケンティー、本当にもう大丈夫？」


先程のあたふたから一変して
真剣な眼差しをこちらに向ける聡ちゃん

マリウスも心配そうに覗き込んでくる




健「大丈夫だよ
わざわざ病院来てくれてありがとな」

そう言って二人と、勝利の頭を撫でる



勝「よかった、ケンティーはうちのエースだからね
俺たち自身頼りすぎちゃってるとこもあるけど、やっぱり無理はしてほしくないし。体調とかおかしいなって思ったら些細なことでもいいから、これからはちゃんと教えてほしいな」

マ「うんうん！
ケンティーのお仕事はケンティーにしか出来ないものだけど、ボクたちもサポートはできるからね！
しんどい〜って時は教えてほしい！」

聡「お仕事の具体的な相談は乗れなくても
いつでも僕たちはケンティーの帰る場所で待ってるからね」



3人の言葉に思わず目頭が熱くなる


出会った頃、心身共に本当に子供だった彼ら
まだまだ自分も未熟者で、誰かに頼りたくて、助けてほしくて、だけど自分が最年長という現実は変わらなくて

とにかくがむしゃらに彼らを
時には仲間を、時には弟を庇うような気持ちで必死で守ってきた


だからかな
いつまでも弟って感覚が抜けなくて、自分が守らなくてはとばかり無意識に思っていたのかもしれない

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