そばにいるよ

◎ ページ25

K.Nside



勝利の言葉はいつも直球で


ガツンと響く重さがある


そうだな、見栄を張ることより


弟たちを安心させられることの方が


もっとずっと大事だって忘れていた



健「勝利、ありがとう」



ベッドから上体を起こし


勝利を思いっきり抱き締める


横で眺めていた風磨の頭も撫でると


うちの照れ屋な次男坊は


また顔が真っ赤に染まっていた




ーーーーーー




あれから職場には折を見て話をつけた


初めこそ驚かれはしたが


引き続き雇ってもらえることになった


怒鳴ってきた例の上司には


扱いづらいとばかりに少し嫌そうな顔をされたものの


適切な分量の仕事を割り振ってくれるようになった


あんなに言うことを躊躇っていたけど


話してみるとどんどん環境に変化が起きて


前より生きやすいと感じることが多くなった




今までお医者さんや弟たちが


俺のことをいかに本気で考えてくれていたか


改めて知ることができて


感謝してもしきれない思いだった






聡「健人にいちゃんおはよー！

朝ごはんできたよー！」




朝から元気な聡の明るい声が響く


ゆっくり体を起こすと


なんだか前よりも寝起きが軽い



健「今行く！」




リビングに行くと美味しそうな朝食が並んでいる


そのテーブルには寝起きの弟たちの姿が




マ「健人にいちゃんおはよ〜」


勝「おはよう」


風「はよ」


聡「おはよう！」




朝から溌溂とした声


ふわりと優しい声


眠そうな声


いつも通りのクールな声




各々バラバラな反応に思わず表情が緩む



健「おはよう！」







たぶんこれからもずっと、兄として


弟たちに対してカッコつけていたいと思うのは


変わらないんだと思う


だけど


この弟たちのことをもっと信じてみてもいいと


たまには肩を借りてみるのもいいんだと


今はちゃんと思える


それは4人がとても愛情深くて、頼りになる


自慢の弟たちだからだろう


この家族となら、何でも乗り越えられる




頼り、頼られ


これからも一緒に生きていきたい





END

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