10時 ページ3
「エリスちゃん、水を」
「分かってる」
テキパキと動く二人は流石と言うべきか。
「私が薬を処方するから、指定された時間に服用すること。それとも、私が直接、時間になったら渡した方が良いかな?」
「A、タブレットタイプとパウダータイプ、どっちがイイ?」
「追加の毛布等は必要かな?」
最初の声を筆頭にあれよあれよと言う間に物事が進んでいく。
「あ、えと……自分で管理します…………粉で……要らないと思います……」
圧倒され、拙い喋り方になってしまう。
「Aちゃん、身体を起こせるかな」
「あ、はい」
上半身を起こすと、エリスちゃんがお盆をが目の前に出す。
「オブラート、いる?」
「要らないよ、ありがとう」
盆上の粉末入りの袋を手に取り、破って、中身を口に。
そして、盆上のコップを素早く取り、傾け、水を口に。
服用し終え、コップを返すと、新たな水が注がれてキャビネットの上に置かれた。
「定期的に診に来るけれど、何かあったら教えてくれ。それと、寝る前にちゃんとその水を飲むんだよ。病気の際は、特に水分が必要になるからね」
どうやら脱水症状にならないための配慮らしい。
「それじゃあ、私達はこれで」
そう言って、二人が部屋を出て行く。
扉が閉まれば、そこは虚無の空間。
――パタン、と音が鳴る。
引き留めればよかったかな。
だが、鴎外さんは忙しいし、エリスちゃんにだって病気をうつしてしまうかもしれない。それはいやだ。
だから、きっと、今すべきことは一刻も早く治すことだ。
そう思い、コップを手に取り、水を三分の一飲み込んで気怠い体を横にした。
(春夏秋冬、病にはお気を付け下さい)
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臣民(プロフ) - 坂竹会長さん» 返信が遅くなってしまい、誠に申し訳ありません……!お互いに無理のない程度に頑張っていきましょう!^^ (2019年6月6日 21時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - すッッッッッッッ(殴みません((!! 習い事の試験やら、学校という悪魔やら風邪やらなんやらで全然開けてませんでした…;;(笑)続編…!!更新頑張ってください!!私も頑張りまs((蹴発火 失礼しました_;;ーд#_ (2019年6月3日 8時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - もくれんさん» ありがとうございます!より一層、精進してまいりますので、よろしくお願いいたします! (2019年5月12日 22時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
もくれん(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも頑張って下さい! (2019年5月12日 18時) (レス) id: b1b6b426cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:臣民 | 作成日時:2019年4月21日 19時