十五日目 8時 ページ20
そんな事いわれもなァ。
と、不安に駆られながら寝た昨日。
疲労も相俟って夢の中に飛び込むことは容易かった。
…―――――さい。
“鴎外さん以外”の人と買い物なんて、想像がつかない。
…おき――だ―いA――。
誰かの声が聞こえる。優しく可愛いソプラノボイス。
でも、エリスちゃんではない。
一体だれ「起きてください」
その声に急に意識が浮上する。
目を見開き、声の主を確認すると、そこには口元をマスクで隠し、長い黒髪を後ろで束ねている男性が立っていた。
上半身を起こし、周辺を見回す。彼以外は居ないようだ。
「これに着替えてください……」
控えめに男性から黒いファーの付いた、まるで1999年の新宿を彷彿させる服を渡される。それは問題ではないのだが……
――ちょっとだけ待っていただきたい。
……今、この部屋には私と男性の二人しかいない。
ならば寝ぼけていた時に聞いた声は?
今、「着替えてください」と言った男性の声の可愛さは?
「……すみませんが、お名前を窺ってもよろしいでしょうか?」
「あ……銀、と言います。一緒に買い物に行く命令を引き受けている者の一人、です」
恥ずかしそうに喋る彼女はまさしく女の子であった。
というか、付き添いは他に何人かいるみたいなことを言われた気がしたのだが。
「……靴などの用意をしますので、その間に着替えをお願いします」
と、言うと彼女は背を向けて支度を始めた。そこで、彼女に着替えを見る気が無いことを悟る。
同性なら別に気にしなくてもいいのになぁ、と思いつつ、ご厚意に甘えて手早く着替え、用意されたブーツを履き部屋を出て行き――そうなところで、銀さんから呼び止められる。
「あの……朝食の用意は、出来ています……一緒に行きませんか?」
(無口な撫子)
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臣民(プロフ) - 坂竹会長さん» 返信が遅くなってしまい、誠に申し訳ありません……!お互いに無理のない程度に頑張っていきましょう!^^ (2019年6月6日 21時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - すッッッッッッッ(殴みません((!! 習い事の試験やら、学校という悪魔やら風邪やらなんやらで全然開けてませんでした…;;(笑)続編…!!更新頑張ってください!!私も頑張りまs((蹴発火 失礼しました_;;ーд#_ (2019年6月3日 8時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - もくれんさん» ありがとうございます!より一層、精進してまいりますので、よろしくお願いいたします! (2019年5月12日 22時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
もくれん(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも頑張って下さい! (2019年5月12日 18時) (レス) id: b1b6b426cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:臣民 | 作成日時:2019年4月21日 19時