第五十八話 アムール ページ15
――ありえない言葉を耳にした。
「私は、首領……好き、です。 恋して、います……愛しています。
大好きで、愛おしくて、恋しくて……」
「何を云って……」
「私、は!」
嗚咽を漏らしながら力強く語るAちゃん。
「
“
ぐすぐすと泣く目の前の少女。
――いや、それよりも。
私のことが、“好き”と云った?
中年だから好かれないと決め込んで。
だのにいつまでも未練タラタラで。
“その言ノ葉”を口にしなかった私は。
大きな一歩を踏み出せなかった私は。
一番、女と云う生き物に酷なことをしていた私は。
――非道く、愚かしい。
彼女は私なんかより、余程勇気がある子だ。
「もっと早く云ってくれれば好かったものを……」
「首領……?」
手の平で顔の半分を覆う。
その様子に気づいたAちゃんが下から声を上げる。
「いや、何でもないよ。
それより苦しかったかな? すまなかったねえ」
そう声をかけてAちゃんの上から退く。
「……でも、もう二度とこんなことをしないで欲しい。
約束できるね?」
「…………」
声を掛けるが、伏せ目になる。
拒絶の意だ。
暫くの沈黙の後、そっとAちゃんが口を開く。
「…………首領。
先ほども、言いましたが……その……。
私は、貴方に、殺して欲しいのです」
「……どうしてかな?」
今までは単純に否定してきたが、今回ばかりは理由を聞きたい。
此処まで思い詰める、相当な理由がきっとあってるはずだ。
「13歳になるからです」
――それが、理由なのかい?
「……ではそれが、どうして自決に繋がるのかね?」
「首領は、12歳以下が守備範囲と、聞いたので……」
(察し)
265人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
臣民(プロフ) - みぃさん» ここまで閲覧して頂き、誠に有難う御座います! 私が書く森さんはただでさえぶっトんでいるのに次回作は更にそれを加速させそうです(苦笑) 少女漫画の様にまたキュンキュンとさせられることを目標に、頑張ります! (2018年7月16日 13時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 幸せな終わり方でしたね!! キュンキュンしました! 次回作楽しみにしています! 完結お疲れ様でした! (2018年7月16日 7時) (レス) id: d688bcfef3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:臣民 | 作成日時:2018年5月27日 18時