ささえあい。2 (ページ5)

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現地解散となる今日、ここ大阪で、皆はそれぞれのチームに戻る。ある者は東京、ある者は静岡、ある者は広島…次に集まるのは来年の春。今度は個々のスキルを高める為の時間だ。勿論、私も東レの女子バレー部に戻ってリーグ戦に臨む。同じ東レの男子バレー部とはホーム戦で会う事もあるけど、大半の人達とは暫く会わない。

『また強くなって会いましょう！』

そう言って皆とハイタッチ。
次に会う時が楽しみだ。

「Aちゃん」

『マサさん、確かマサさんはサンバーズのところに行くんだっけ？』

「うん、でもその前に…」

『え？』

「昴さんの所、行かない？」

***

所属していたチームを離れて仕事も退社し、今シーズンからプロに転向するマサさん。今日はお世話になったチームに挨拶に行く予定だったみたいだけど、それでも支障は無いと言うマサさん。私達は約一年ぶりに、昴くんのご実家に来ていた。

「昨日までご苦労さま。昴と一緒に応援していたわ」

「あんな結果で…昴さんに合わせる顔が無いです」

「そんな事ないわ。良い所も沢山あったじゃない。何も良い事ばかりじゃない、今が踏ん張りどころで、成長出来るチャンスだと思うわ」

「…ありがとうございます」

流石は日本代表選手を子供に持つ親だ。言葉の重みが違う。

「Aちゃんは？お仕事は何をされてるの？」

『龍神NIPPONのマネージャー兼心理カウンセラー、それと、東レ・アローズ女子バレー部のマネージャーをやっています』

「あらっ、そうなの？」

はい、と私は頷いたけどその経緯は口にしなかった。でもおばさんは全てを見透かしているかのように、経緯をぺラッと言ってのけた。

「どうせあの子が頼んだんでしょ」

『…どうしてそれを』

「そんなの分かるわよ。あの子がAちゃんを1人にさせる訳ないもの」

…その形が、今の私。

『私、昴くんに出会えて本当に良かったです』

「そう言って貰えて嬉しいわ」