ささえあい。2 (ページ3)

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何でこんな状況で気付いてしまったんだろう、何て馬鹿なんだ。見つめ合う視線はいつの間にか外れていて、マサさんの首に揺れるネックレスを捉えていた。
そっか、私…いつの間にかマサさんを好きになってたんだ。そうと分かればどんな顔をしていればいいのか分からなくなって、もう本当…どうしていいか。

『！』

そんな時に、マサさんはまた私を抱き寄せた。

「…おやすみ」

その距離僅か1cm。内側の手は手を繋がれていて、空いた手は背中を優しくぽんぽんと撫でてくれている。ちょっと上からはマサさんの規則正しい呼吸が聴こえてきて、目の前には鍛えられた胸筋…寝られる訳が無い。心臓の音とか…最早、そんな事を言っている場合じゃないよ。

『っ…』

当然ながら、私はそんなに眠れませんでした。

***

朝はいつもより早めに目が覚めた。否、寝て起きてを繰り返してました。マサさんも早めに目が覚めたのか、ボーッとしながら身体を起こしていた。

『…眠れた？』

「…うん」

それが朝の事。

昴くん、少しずつ、前に進んでる気はするけど…マサさんの事を好きになっちゃった。本当に…好きになっていいのかな…

ずっとそればかり考えています。

だって、昴くんのコネクションで代表選手のサポートに回っているという異例中の異例の私が、仮にも選手を好きになってしまったんだよ！？引け目を感じるところもある訳ですよ。

『はぁ…』

「寺島さん大丈夫？熱中症にやられた？」

『ううん、大丈夫』

声を掛けてくれた小野寺くんに相談出来る訳も無く。相談出来る唯一の石川くんは、マサさんと楽しく練習しているし…1人モヤモヤしています。