04 柳田side ページ5
対人パスでも木田さんと目が合う事は無かった。スパイクやフェイントを時折混ぜて何かしらの変化を試みたが結局彼女の表情が崩れる事はなく、揺れる前髪の隙間から見える眉間にはシワが寄っていた。
試合ではよく弾けるあの笑顔は何処にもない。難攻不落のシンデレラとはこういう事かと、別の意味で捉えてしまった。
次の練習は試合形式のミニゲーム…3対3、木田さんとはネットを介して対峙する事となった。
相手は木田さん、健太郎、清水さん
こっちは俺、祐希、李
石川「…うわぁ」
柳田「?」
祐希が向こうの3人…主に木田さんを見て声を漏らした。俺も李もつられてそっちを見ると、俺とパス練をした時以上に表情が険しかった。
石川「やば」
柳田「知ってんの?」
石川「まあ…」
重要な内容を聞く前にまずはコートで3人でやる事の確認。木田さんの事は…後だ。それぞれポジションにつくと木田さんの表情は何故か少し和らいでいて、多分バレーに集中している状態だった。
サーブは俺から始まる。ガラガラのコートの中は狙いたい放題で、ホイッスルと共に狙いを定めてボールを打ち込んだ。
柳田「!」
それを拾ったのは木田さんだった。
見事なまでのAパス、完璧。
柳田「くそ…!」
健太郎がアンダーでトスの準備をしている間に木田さんはレシーブの体勢を利用して攻撃態勢に入っている。マジで綺麗に返された。
清水「ライト!」
トスを呼ぶのは清水さんで、木田さんは拍手で呼ぶ。
健太郎が選んだのはレフトから切り込む木田さんだった。
柳田「!」
女子の中でも飛び抜けてジャンプ力が高い木田さんは男子と同じぐらい跳ぶ。本当はバックでフロアディフェンス担当だけど、綺麗にAで返されたのが悔しくて俺もブロックに跳んだ。
『っ!』
柳田「!!」
ストレート、腕を前に出す前にボールは右腕とバーの間をすり抜けていた。
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しおん(プロフ) - はるかさん» お返事ありがとうございます!そのように言っていただけてとても嬉しいです(^^)もっともっと甘くなるように努力致します!! (2019年12月10日 20時) (レス) id: cd6fb91589 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - いえいえ、直して頂きありがとうございました^^ 柳田さんがイケメンすぎてどきどき止まりません笑 (2019年12月10日 12時) (レス) id: 625bd2f9b0 (このIDを非表示/違反報告)
しおん(プロフ) - はるかさん» 初めまして!お立ち寄りありがとうございます(*^^*)申し訳ありません、誤字でした。主人公の事です!ご指摘ありがとうございます、修正致しました。今後ともよろしくお願いします(^-^) (2019年11月28日 9時) (レス) id: cd6fb91589 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 小説読ませて頂きました!ところで、『間宮』さんって主人公のことですか?? (2019年11月28日 8時) (レス) id: 625bd2f9b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しおん | 作成日時:2019年11月26日 16時