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石井「今日のご飯何かな〜」
ウェイトを終えた私達は汗を拭いてシャワールームに向かうけど…
『あの…もう体育館に居ませんよね』
石井「ん?男子?」
『自主練したくて…』
石井「多分大丈夫だと思うけど…私も行こうか?」
『居ないなら大丈夫です!』
もう少しボールを触りたくて、私は一人で体育館に足を運んだ。
『失礼しま…』
す
『っ!』
体育館には、憧れの柳田さんが居た。
扉を開けた瞬間、こちらのコートに刺さるサーブ。
あと少し早ければあのフォームが見られたはずだ、けど…待て待て私。体育館には私と柳田さんの2人しか居ないじゃないか。
優希さんも来てもらえばよかったー!!!
柳田「忘れ物ですか?」
『っ!』
は、ははははは話しかけられたー!!
ど、どどどどうしようどうしよう!!
『ぅ、あ…ぉ…』
完全に挙動不審。だから憧れの人はもっとマトモに話せないんだってばー!!
しかも柳田さん、私の呟いた言葉も聞いてたみたいだったし、もしかしたら怒ってるかも…怒らせちゃってるよきっと!あぁ、終わった、何か終わった。
柳田「あの…」
『さ、サーブ!』
柳田「!」
『ですか…』
柳田「……はい」
『……』
柳田「……」
何を脈絡の無い事言ってんの私ー!!
しかもこれが憧れの人との初会話。「おはよう」と挨拶をする訳でもなく、失言を謝罪する訳でもなく「サーブですか」「はい」というよく分からない会話がまさか初めてになるなんて…穴があったら入りたい。何なら穴を掘って入りたい。
柳田「…あの」
『ひっ!』
気付けば向こうのエンドラインに居たはずの柳田さんは、ネットを潜ってこちら側のエンドラインを踏んでいた。私の頭はパンクし、根っこが張ったみたいに足は動かなかった。
『…?』
でも、床を見るその視界に柳田さんの足も影も映らなかった。恐る恐る顔を上げると、エンドラインから2歩離れたところで足を止めていた。
柳田「…やりますか?」
少し遠いその距離から、体育館の入口に向かって声だけが飛んでくる。
柳田「…サーブ」
シューズもしっかり履いている。持っているのはタオルとドリンク。そんな私に柳田さんは恐る恐る、そしてなるべく優しく話しかけてくれた。
そうと分かっても声は出なくて、目だけキョロキョロと挙動不審発動中。
『!』
タンッ
静かな体育館の中にボールが跳ねる音がこだました。それは私の視界に入って、私にパスしてくれたものだと直ぐに分かった。
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しおん(プロフ) - はるかさん» お返事ありがとうございます!そのように言っていただけてとても嬉しいです(^^)もっともっと甘くなるように努力致します!! (2019年12月10日 20時) (レス) id: cd6fb91589 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - いえいえ、直して頂きありがとうございました^^ 柳田さんがイケメンすぎてどきどき止まりません笑 (2019年12月10日 12時) (レス) id: 625bd2f9b0 (このIDを非表示/違反報告)
しおん(プロフ) - はるかさん» 初めまして!お立ち寄りありがとうございます(*^^*)申し訳ありません、誤字でした。主人公の事です!ご指摘ありがとうございます、修正致しました。今後ともよろしくお願いします(^-^) (2019年11月28日 9時) (レス) id: cd6fb91589 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 小説読ませて頂きました!ところで、『間宮』さんって主人公のことですか?? (2019年11月28日 8時) (レス) id: 625bd2f9b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しおん | 作成日時:2019年11月26日 16時