ささえあい。 (ページ42)

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御手洗から戻って来ると、私の席には清水さんやら関田さんやらが居て入れなかった。ちゃっかり高橋くんも輪に混ざって大盛り上がり。

『楽しんでる？』

テーブルの端に居るマサさんと石川くんの前に座った。さっきまで飲んでいたアルコール強めのカシスオレンジとお水はもう飲んである。お水が無かったらあの紫は飲めなかったよ…ありがとう、小野寺くん。

「これだけ数ヶ月一緒に居るのに、飲み会に寺島さん来るの初めてって意外だね」

『誘われてはいたんだけど…』

行かなかったんだよね…ふと顔を上げるとマサさんと目が合った。私が飲みの席に行かないのは多分、マサさんにはバレてる。

「お酒飲むのも久しぶりじゃない？」

一人では飲まないのも知ってる。
皆で楽しく笑って飲む方が好きだって知ってるから。

『多分、東レのバレー部で一回だけ飲んだ以来かも』

「だけ！？」

『だけ』

驚くマサさんの言葉を復唱する。

「会社だし飲み会とか結構あるんじゃない？」

今度は石川くんが訊ねてきた。

『んー、覚える事とか多くて、飲みニュケーションっていうのかな、そういうのが出来なかったの』

まあ、言い訳にしかすぎないけど。

「で、何飲むの？」

『ああ…』

手元に自分の飲み物が無い事を指摘した石川くんは普通に烏龍茶を飲んでいた。マサさんはやっぱり梅酒ロック。変わらないなあ。

『レモンサワーとお水ください』

そう注文した。

「久しぶりなんでしょ、大丈夫？」

「俺、そういう意味で聞いた訳じゃないんだけど…」

『顔には出るけど、意外と平気だから』

「なら、いざとなれば俺がおぶって帰る！」

「お前は駄目」

「えー、何で！？」

「お前も酔ってんじゃん」

何気無い会話が微笑ましく思える。こんなに楽しくなっちゃうから…お酒って、バレーと一緒かも。大好きだけど大嫌い。

『お水飲むから大丈夫だって』

頑張って笑ってみせた。