12話 �� ページ42
「それに、車は修理屋に出してしまって車庫にはおいてないかもしれない。あるいはもう売り払ってしまっているということも考えられる」
あーあ、折角いい線いったんになぁ。
意気消沈していると、隣で黒木が揶揄うような声で言った。
「じゃ、これからどうするんだ」
声とは裏腹に、黒木の瞳はギラギラと輝いている。
「言えよ、上杉教授」
それに対して上杉は小さく笑うと、レンズの向こう、つり上がった目を鋭く光らせた。
「証拠を作るのさ」
...え？
「そうすれば警察を動かせる」
...え？？？
僕がギョッとして固まっていると、若武が生き生きとした声を上げた。
「よっし！まず、塗料と泥を分析しよう。自動車の車種と年代をはっきりさせ、そして俺の自転車がビバリーヒルズにあったことを証明するんだ」
そこで言葉を切って、炎がともった目で小塚を見る。
「小塚、お前の役目だぜ。できるな」
力強い目に見詰められて、小塚は戸惑ったような声を上げた。
「塗料と泥の分析は大丈夫だけれど、塗料から車種を特定するためには、各社がそれぞれの車に使っている塗料の成分表が無かったら駄目なんだ。でもそれって企業秘密のはずだよ」
それを聞くと、若武は少し考えて黒木に向きなおる。
「黒木、お前、塗料の成分表を手に入れられるか？」
黒木が「できるかもしれない」「やってみる」と答えると若武は元気よく頷いた。
「よし、それからビバリーヒルズの聞き込みだ。ビバリーヒルズに住んでいる人間なら誰でもいいから捜し出して、緑色の車を持っている奴を知らないかとか、あの日以降車の修理屋が出入りしている家はないかとか聞いてみるんだ」
そう言って、若武は僕と上杉を見る。
「これは、上杉と立花」
名前を呼ばれて、こくりと頷いて口を開く。
「そんで、証拠を揃えたら警察に持ちこむんだよね」
僕の言葉に皆が頷くのに対して、若武は首を横に振った。
「警察は駄目だ」
『なんでッ！？』
皆の声が揃った。
同意を得られなかったからか、若武はムッとしたように言い返す。
「俺の立場を考えろよ。警察になんか言ったら俺が秀明にチャリで通ってたことが親にバレるじゃないか。小遣いが貰えなくなる」
どこまでも小遣いにこだわる若武に僕達がうんざりしているのに気付いたのか、宥めるように慌てて付け加えた。
「それに、ここまで調べておきながら犯人を突き止めるって言う一番カッコいい所を警察に取られるなんて悔しいじゃないか。俺達だけでやろうぜ」
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みずいろ。(プロフ) - Haruさん» そう言って頂けて幸いです。Haruさんの「楽しみ」との言葉を糧にして頑張ります！コメントありがとうございます！ (2021年6月24日 20時) (
レス) id: a0a86fce5f (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - みずいろ。さん» いえいえ、こちらこそすみません！楽しみにしてます！ (2021年6月24日 20時) (レス) id: 40c5cf4ec4 (このIDを非表示/違反報告)
みずいろ。(プロフ) - Haruさん» Haruさん、すみません！！今執筆している最中でして…。明日に公開する予定です。本当に申し訳ありません！！！ (2021年6月24日 20時) (レス) id: a0a86fce5f (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - 次の作品を読むためのパスワードを教えていただきたいです！ (2021年6月24日 20時) (レス) id: 40c5cf4ec4 (このIDを非表示/違反報告)
アヤナ(プロフ) - みずいろ。さん» そうですよね〜！！この小説読むの楽しみにしてます！頑張って下さい！！ (2020年5月3日 17時) (レス) id: a3a5163252 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずいろ。 | 作成日時：2020年4月29日 23時
