6話 �� ページ20
それを見た若武は調子にのって続ける。
「へぇ！"数の上杉"の意外な弱点発見だ。へえ!!」
「別に、そういう訳じゃない」
上杉の不快そうな声色も気にしない。口を閉じるどころか、更に言い募る。
「否定するトコが怪しいんだなあ。絶対"比"に弱いんだ」
上杉は顔を顰め、若武はどんどん饒舌になる。
「そうとわかれば、俺もチャリ捜しなんてやめて勉強しようかな。お前をダシ抜いて、トップ賞取れるかもしんないもんな。そしたら、今回のことも多分許してもらえるだろうしさ。俺ん家の親って、お前ん家の親といつも親しくしてるけど、ホントはすげぇ意識してんだ。総合では上杉さんとこのノリちゃんにだけは負けないでよって、いつも言ってるもん。お前を抜けばすっごく喜ぶことは目に見えてる。そうしようかな」
うわあ...
上杉はたまらなくなったらしく、やってみろよ、と噛みつくように叫ぶ。
それを聞いて、若武は悪役顔負けの
「いいのか？俺はやるっていったら本気でやるぜ。算数だけに集中して、お前をつぶしてやる。他は投げてでもやってやる。俺はＢだからな、お前みたいに完璧じゃなくても許される。だけどお前はトップ賞取れなかったら名前が泣くだろ。"数の上杉"だもんな」
上杉は息をつめた。顔が可哀そうなくらい青くなっていく。
「上杉、２ヶ月前のこと思い出せよ。俺が算数でお前からトップを奪ったときのことだ。どんな気持ちがした？俺に取られるくらいなら、他のヤツに取られるほうがましだって思えるくらい悔しかっただろ。親にも、いつもの倍は怒られたはずだ。もう一度あれを繰り返したいのか？」
息も吐かずに早口で言い切って、そこで一度言葉を切り、柔らかい口調で続けた。
「それよりは、俺とチャリを捜したほうがいいと思わないか。お前は算数のトップを守って、俺は総合でいいとこを取る。テリトリーは守ったほうがお互い平和だ。上杉、俺はお前の頭を買ってる。犯人を捜し出すためには、どうしてもお前が必要なんだ。お前の勉強時間を全部くれとは言わないから、協力しろよ。３分の１、いや、４分の１でいいから俺に貸してくれ。この分は、いつかきっと返すからさ」
そう言って上杉をじっと見つめる。
なんというか...確かに詐欺師だけど、どっちかっていうとグルさんに近い感じ。
相手の感情を操って自分の思惑通りに進めようとするのがそっくりだ。
まあ、グルさんのほうがもっと狡猾で無駄に頭良いけど。
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みずいろ。(プロフ) - Haruさん» そう言って頂けて幸いです。Haruさんの「楽しみ」との言葉を糧にして頑張ります！コメントありがとうございます！ (2021年6月24日 20時) (
レス) id: a0a86fce5f (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - みずいろ。さん» いえいえ、こちらこそすみません！楽しみにしてます！ (2021年6月24日 20時) (レス) id: 40c5cf4ec4 (このIDを非表示/違反報告)
みずいろ。(プロフ) - Haruさん» Haruさん、すみません！！今執筆している最中でして…。明日に公開する予定です。本当に申し訳ありません！！！ (2021年6月24日 20時) (レス) id: a0a86fce5f (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - 次の作品を読むためのパスワードを教えていただきたいです！ (2021年6月24日 20時) (レス) id: 40c5cf4ec4 (このIDを非表示/違反報告)
アヤナ(プロフ) - みずいろ。さん» そうですよね〜！！この小説読むの楽しみにしてます！頑張って下さい！！ (2020年5月3日 17時) (レス) id: a3a5163252 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずいろ。 | 作成日時：2020年4月29日 23時
