5話 �� ページ14
＿＿なんて言うとでも思ったか。
僕は小さい頃から、鬱とかチーノとか言う詐欺師に囲まれて育ってきたんだ。言い方は悪いけど、若武が僕を騙そうとしとるのには気付いてる。
階段を上る若武に声を掛けた。
「若武、そういうことしなく良いから」
そう言うと驚いてこちらを振り向く若武。
まさか今日始めて会った僕に見破られるとは思わなかっただろう。
「え、なんで...」
「なんでって...演技するならもうちょい上手くしないとすぐバレるよ。ソレ始めてから眉がピクピク動いてたし口角も不自然だったし。あと、
そう言って若武に笑みを向ける。
「僕を騙したいんなら、もっと演技力を上げないと無理だよ？」
すると若武は両手を挙げ降参のポーズをとった。
「参った。すげぇな立花、初見で見破られたのは初めてだ。何で分かったんだ？」
「...僕の知り合いには詐欺師紛いが2人居るからね。必然的に嘘とか演技に鋭くなった」
少し遠くを見ながらそう言うと、何か感じ取ったのか同情に近い眼差しを向けられた。
「何かよく分からんけど...ドンマイ」
何だろう...心が痛いなぁ...
僕が居た堪れなくて慌てて話を変える。
「え、えっと、どんな声明文を書けばいい？」
そう聞くと、若武は先程の腹立たしげな表情を取り戻し僅かに眉根をよせた。そうだな、と言いながら、癖なのか両手をズボンのポケットに突っ込む。
そのまま思案顔で数秒経つとパチンと指を鳴らして壁から背を離した。
「よし、こうしよう」
呟いて僕を見る。
「犯行現場に掲示するんだから、思いっきり厳めしいのが良いんだ」
まぁそうだよね。それで？
「まず、犯人に告ぐ、だな。そして、今すぐ反省して俺のマウンテンバイクを戻せば良し、戻さなければ酷い目に遭うぞ、こんなもんだろ。細かい言葉遣いや表現はエキスパートのお前に任せる」
そう至極真面目な顔で言った。
...頭大丈夫かな？？？
「それ、本気？」
「もちろん」
即 答 。
思わず頭を抱えそうになった。若武ってもしかして馬鹿？
そう思うのも仕方ないやろ。やって犯行現場にそんなもの出したからって、一体どこのどんな犯人がノコノコ盗んだモン返すん？
「無駄だと思うけど」
そう言うと若武は苛立ったらしく僕を睨む。
「他にいい方法でもあるのか」
僕はちょっと肩を竦めた。
「いや、分かんないけど...」
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みずいろ。(プロフ) - Haruさん» そう言って頂けて幸いです。Haruさんの「楽しみ」との言葉を糧にして頑張ります！コメントありがとうございます！ (2021年6月24日 20時) (
レス) id: a0a86fce5f (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - みずいろ。さん» いえいえ、こちらこそすみません！楽しみにしてます！ (2021年6月24日 20時) (レス) id: 40c5cf4ec4 (このIDを非表示/違反報告)
みずいろ。(プロフ) - Haruさん» Haruさん、すみません！！今執筆している最中でして…。明日に公開する予定です。本当に申し訳ありません！！！ (2021年6月24日 20時) (レス) id: a0a86fce5f (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - 次の作品を読むためのパスワードを教えていただきたいです！ (2021年6月24日 20時) (レス) id: 40c5cf4ec4 (このIDを非表示/違反報告)
アヤナ(プロフ) - みずいろ。さん» そうですよね〜！！この小説読むの楽しみにしてます！頑張って下さい！！ (2020年5月3日 17時) (レス) id: a3a5163252 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずいろ。 | 作成日時：2020年4月29日 23時
