10話 �� ページ4
「あんなになるまで想われてんのや。きっと本当なら、あそこは笑顔が絶えない家庭やった。やから、早よ親の元に返してやりたい」
ちらりと上杉を見遣る。
「…上杉が言うんやし、警察の態度は相当なモンやったんやろうね。基本、大人ってのは(自覚があるかどうかは別として)
黒木に視線を戻した。
「さっきまで思っとったんは、まあざっとこんな感じ」
そう言って若武を見ると、ぐっと眉根を寄せて口を中途半端に開けて、なんと言えばいいのか分からない、といった顔をしていた。否を唱える明確な理由が顕わになって、且つ感情で物を言っている訳ではないから、僕の家庭事情を聞いたことも加えて、先程と同じように軽い調子で反論出来ないのだろう。
「けど、もうええわ」
「えっ」
「はっ？」
言葉に成りきっていない音を零して間抜け面をした若武と上杉、パカリと口を開けて固まった小塚に苦笑してみせる。きちんと僕の言葉を汲み取ったのは、いつもと変わらずに微笑んでいる黒木だけらしい。
「『さっきまで思ってたのは』って言ったでしょ。ちょっと頭にキててさ、話してるうちに冷静になって、オマエら男だけで行かせて暴走せんか、とか、もし警察に届けたとして、盗聴器なんかが仕掛けられてたり、電気機器がジャックされてたりする可能性を考えると、警察に行くよりオマエらに付いてく方が賢明やって思ったんよ。もっとも、それが実現出来る技術があるんやったら、わざわざ活字を切り抜いて手紙にするんじゃなくて、電話回線クラックしてFAX送り付ければええんやし、その可能性は低いやろうけど。そう考えるのを読んで手紙を作ったっていう可能性も無きにしも非ずやし、リスクは避けるに越したことは無いからな。まあ、要するに」
ひらり、片手を上げて振った。
「僕も協力するんで、よろしく」
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千佳紗 - 続きを楽しみにしています。早く読みたいです。でも、無理はしないでくださいね。 (2023年1月31日 18時) (
レス) @page18 id: ae5241d4ef (このIDを非表示/違反報告)
みずいろ。(プロフ) - 雪さん» チーッス！雪さん、コメント有難うございます！！ウッ、親からよく言われる言葉に耳が痛い……。了解しましたっ！ (2021年10月15日 4時) (レス) id: 12c43826a1 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - チーッス！更新頑張ってください！無理はなさらないでください。 (2021年10月13日 22時) (レス) @page3 id: fe05c62798 (このIDを非表示/違反報告)
みずいろ。(プロフ) - 柚菜さん» 柚菜さん、コメント有難うございます！！はい！頑張ります！！！ヾ(●｀・ω・´●)ﾉ‹ﾑﾝｯ (2021年10月11日 21時) (レス) id: 12c43826a1 (このIDを非表示/違反報告)
柚菜 - 更新頑張って下さい応援してます！ (2021年10月11日 20時) (レス) @page2 id: 1216b927b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずいろ。 | 作成日時：2021年10月10日 7時
