届け、私の赤い糸【名前変更オリジナル】 (ページ49)

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『あれ見ろ』

「もう、なんなの？」

『早く見ろって』

「本当…自分勝手だよ……ね」

どうして

なんで

いや、そりゃそうか

頭の中で清算する
うん、別におかしい事じゃない
そうだよね、そりゃそうだよね

私の目に飛び込んできたのは

りょうが

あの日振っていた子と

抱き合っていた…しっかりと背中に手を回して

「…いいね～ラブラブ…」

『ごめん、そんなに傷つくと思ってなくて…』

「は？何言ってんの、私が傷つくわけないじゃん
ないない、ありえない」

『俺の前では強がんな』

「……っ」

とめどなく涙が溢れて
ただ声を押し殺して泣くことしかできなくて

こんなに好きなんて
思ってなかった

こんなに苦しいなんて
思ってなくて、私は全て

見て見ぬ振りをして生きてきた
だからこんな、残酷な結末が待ってたんだ

私はそっと翔の胸に包まれた

俺がいるから

言葉に出さなくても
その暖かさが私にそう伝えてくれた

少しだけ、少しだけこうさせてほしい

「…ごめんね…」

涙は枯れる

恋も枯れる

じゃあその時まで待とう

時間はまだまだある

私の恋が終わりの方角を向いたのは

高校1年生の冬だった