【ヒロアカ】暗殺者が転生してヴィランになる話 4【男主】 (ページ7)

今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:430 hit

154 ページ7

・

「かっちゃん！」

『焦凍...！ゲホッ』

爆破と氷結。

爆豪と焦凍、そして切島が駆けつけてきた。

おかげで麗日に怪我はないようだ。

「ありがとう、みん...なああぁぁぁ！！」

『ッ！？』

突然の強風に煽られ、俺たちはタワーの外に吹き飛ばされそうになった。
離れないようにメリッサを強く抱きしめる。緑谷とはワイヤーで繋がっているから空中でバラバラになることはない。

だが。

(まずい、この距離だとワイヤーが届かねェ...！！)

「爆豪！プロペラをAたちに向けろ！」

「だから命令すんじゃねえ！！」

下から聞こえてきた焦凍と爆豪の喧嘩。

こんな時まで喧嘩するなと呆れた瞬間、突如熱風が体に直撃した。

...なるほどな。爆豪が爆破でプロペラを俺らに向け、焦凍が炎で気流を作ったのか。息の合った連携に感心はするが喧嘩はしないでほしいな。

「Aくん！壁にぶつかる！！」

『ッ！』

メリッサの焦った声にハッとする。

「皇先輩！！」

緑谷に呼ばれ下を見た瞬間、俺はワイヤーを手繰り寄せ振り子の原理で緑谷を壁へと投げた。

「ワンフォーオール、フルカウル！デトロイトスマーッシュ！！」

ドガンッ！！

緑谷が壁に穴を開けてくれたおかげでタワー内に入ることができた。1、2秒浮遊したところで、ふっと重力を感じた。麗日が無重力の個性を解いたらしい。

「きゃあああああ！」

「うわあああああ！」

俺はメリッサをぎゅっと抱きしめ、空中で体を捻った。

『...ふう』

「ヘブッ！！」

俺は見事に着地したが、緑谷は顔から落ちた。

抱えていたメリッサをゆっくりと足から地面に下ろす。俺にお礼を言ったメリッサは緑谷に駆け寄った。

「デクくん、大丈夫？」

「だ、大丈夫です...」

喉に触れ、個性を付与する。

...うん、声は出せる。

『空中での体の使い方を覚えろ』

「はい...」

少し掠れ声気味だが、まあ大丈夫だろう。

みんながホッと一息ついた瞬間、僅かに物音と殺気を感じた。緑谷も察知していたようで、メリッサを庇うように抱え込んで転がり込んだ。

間髪入れずにこの場に刃物が突き刺さった。

「胸くそ悪いガキどもが！！」

ヴィランは腕を刃物に変え、緑谷に襲いかかった。

『俺もいるんだけどなぁ』

「グハッ！！」

緑谷とヴィランの間に滑り込み、刃物を顔スレスレで避け鳩尾にグーパンした。グーパンをまともに食らったヴィランは膝から崩れ落ちた。