【ヒロアカ】暗殺者が転生してヴィランになる話 4【男主】 (ページ6)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:428 hit

153 ページ6

・

「ここは...？」

「風力発電システムよ」

180階まで来た俺たちは吹き抜けの風力発電システムに到達した。

『はっ...はあ...』

いつもより早く息が上がってる...。
個性を使いすぎたようで喘息の症状が出始めていた。

(仕方ない...か)

ポシェットから吸入器を取り出し、それを使う。使うと声が出にくくなるが...
ここまで来たらあとは俺の指示はいらないだろ。

「タワーの中を登れば警備マシンが待ち構えているはず。だからここから一気に上層部へ向かうの。あの非常口まで行ければ...」

「あんなところまで...」

「お茶子さんの触れたものを無重力にする個性なら、それができる」

そう言ったメリッサの手が震えているのがわかった。

恐怖を押し殺している。

吸入器をしまい、俺はメリッサの手を握った。

「！」

『ゲホッ...大丈夫だ。俺と緑谷でなんとかお前をメインシステムまで連れていく。ゲホッ』

「Aくん！声が...！」

思ったより喋れる...が、かなりの掠れ声になってしまった。

『吸入器を使った...ッ、だけだ。平気』

「Aくん...」

メリッサの震えは止まったが、俺の喉の心配しているようだ。

『緑谷...ッ、このワイヤーを身体に繋げて...俺に掴まれ。
失礼するぞメリッサ』

袖に仕込んでいたワイヤーを緑谷に持たせ、俺はメリッサを横に抱えた。

「繋げました！」

『よし、頼むぞ麗日』

「はい！」

麗日は俺たちの体に肉球で触れ、力一杯真上へと放り投げるようにして押し出した。同時に俺も勢いをつけてジャンプする。

「いっけー！！」

支柱にそって上昇していく中、俺はふと下を見下ろした。

『ッ！！』

「そんな...！」

「麗日さん！！」

下には警備マシンがわんさかと湧いていた。
麗日もマシンに気が付いたようだ。

「個性を解除して逃げて！」

「できひん！そんなことしたら、みんなを助けられなくなる！！」

『チッ...！』

焦る気持ちを抑え、俺はゆっくりと近づく非常口を見た。

(もっと勢い付けてジャンプすれば良かった！！)

俺たち3人が焦っていると、警備マシンは一斉に麗日に襲いかかった。

『麗日ッ！！』

_____BOOM！！