どうやらE組は一番敵に回してはいけない少女を裏切ってしまったようです

１７．本当にご愁傷様〜後編〜 ページ18

渚side

え？女の子…って女の子！？

「僕は男ですが…」

「知っているよ」

「女の子って如何いう…」

「実は男女でペアにならないといけなくてねぇ。潮田君は女の子っぽいし、ね？」

『うん、まーそういう事で！ドレスは此の部屋にあるものの中から好きなの選んで良いよ！』

このままじゃ話が進まないと思ったのか、水無月さんがこの前の部屋に僕を押し入れた。

…如何しよう。

本当にドレスしかない。


夢主side

ごめんなさい、渚。

私もまた見たかったのです、あなたの女装。

ドアの前で手を合わせて謝罪していたら、キィ…とドアが開いた。

すると其処にはとても可愛らしい女の子…ではなく恥ずかしそうに顔を覗かせている渚がいた。

「僕じゃどの服が良いのか分からないよ…」

『じゃあ私が…』

「私が選んであげるわ！！」

私の言葉を遮ってエリスちゃんが走って渚と共に部屋へと入って行った。

時折「あぁああああ！！」とか悲鳴が聞こえてきたけど十分位経つとドアが再び開いた。

「ううっ」

「如何？似合うでしょ！」

涙目の渚を連れてエリスちゃんがドヤ顔で出て来た。

…あら、不思議。

其処には白の清楚系ドレスに身を包んだお嬢様が。

『今のうちに女の子になっておいたら？』

「やめてよ！E組のみんなみたいな事云うの！！」


気を取り直して。

「A君は芥川君、潮田君は中原君がペアでお願いするよ」

マフィアモードになり今後の話をしていると

「中原です、失礼します」

丁度良いタイミングで中也と龍が入って来た。

「…こんな女いたか？」

「新入りですか？」

渚を見るや首をかしげる二人。

『ふっふっふっ！何と、渚でーす！』

「はぁああああ！？」

「渚というのは男だったはず」

思った通りの反応ありがとう！

『女の子に見えるでしょ！面識のある二人にも分からなかったなら大丈夫だよね』

「あァ、いっその事このまま女になっちまったら如何だァ？」

「中原君までっ！？」

渚が叫ぶと中也は「あー」と頭をかいた。

「中原君ってのも他人行儀すぎるから中也で良いぞ？」

『じゃあ私も名前で呼んでよ！』

「ゴホッ、僕も名前で呼んでも構わない」

「えっと…中也、A、龍之介…で良いかな」

『うんうん！じゃあ改めてよろしくね、渚』

お父さんの事は完全空気で私達はまた信頼が深まった。

『よし、じゃあ行こっか！』

と私が腕を上げると

「「「未だみんな着替えてないから！」」」

シンクロツッコミして来た。

１８．何故一ヶ所に揃うのか→←１６．本当にご愁傷様〜前編〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す