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朝、寝ぼけ眼の視界に入った時計の針を見て驚愕する。
「オンマ！なんで起こしてくれなかったの！」
生まれつきの半分パーマ半分ストレートといった髪は非常に面倒くさくて、絡まる髪を梳かしながら寝坊の原因をオンマに責任転嫁した。
「起こしたわよ。でもあんた起きなかったじゃない」
遅刻ギリギリで焦っている私とは正反対におっとりとしたオンマ。彼女の周りだけ別の空気が流れてるんじゃないかっていうくらい、私と生きている時間軸が違う。
「あー、もうっ！今日だけは遅刻できないのにっ！」
こういう時に限って髪は言うことをきいてくれないし、大事な書類は見つからない。
落ち着いてやればいいもののその落ち着くということがどうやら私は幼い頃から苦手らしく、焦ってはパニックになるから余計に時間がかかってしまう。
頭では良くないと分かっていながらも直らない、私の悪い癖だ。
「ごめん、オンマ！時間ないからもう行く！朝ごはん食べれない！」
せっかくの朝食を無駄にしてしまったことへの罪悪感を抱えながらも、もうほんとうに家を出なければ間に合わない。
玄関で急いで靴を履いた後、ふと、靴箱の上に置かれたひとつの写真立てが目についた。
「行ってくるね、……オッパ」
ガチャリとドアを開けた先の、眩しい世界。
綺麗なシロツメクサの花かんむりを被って無邪気に笑う私と、端正な顔で微笑むオッパの写真がそこにはあった。
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作者名：こすもす | 作成日時：2020年3月11日 1時
