49 大吾side ページ50
廉が帰った後、Aはずっとぼーっとしていて
何かを考えているようやった。
きっと廉のこと。
大「A?大丈夫?」
「…………ねぇ、大吾…」
大「はい?」
やっと話し出したと思ったらうつむいて、泣くのを堪えているような苦しそうな顔をする。
「今の廉がおかしいんじゃなくてさ、あの時が偶然運が良かっただけなのかもね…」
大「A…」
言いたい事はなんとなくわかる。
「あの時もさ、麗美ちゃんみたいな子が居たらさ………私じゃなくてその子の所に行ったのかな?」
大「………」
Aは目にこらえきれなくなった涙を浮かべてそう言ってくる。
簡単な事は言えない。
俺にAの気持ちが、苦しみがわかるはずもない。
辛くて、苦しくて、寂しくて想像も出来ないような気持ちがAを襲っているんだから。
「わかるよ。」なんてそんなこと、言えない。
でも、一つだけ伝えておきたい事がある
大「A。廉はAを愛していた。Aが来る前もたくさんの女が廉とのお見合いにやって来たけど廉はことごとく断り続けたんや。その廉がAだけは、Aだけは断らなかった。むしろAのお父さんに頼んでまで一緒に居りたいって言ったんや。自信もち?Aはちゃんと、廉に愛されてたよ。」
「…ありがとう、大吾。」
神様。
そろそろええんちゃう?
Aを幸せにしてやってや。
これ以上はAが壊れてまう…
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作者名:L | 作成日時:2015年7月25日 23時