菊戴 ページ10
その人は窓のさんに腰掛けていた。
窓の開いた音なんてしなかった…
?「真実のロセウス。ウィンクルムの六人目のメンバー。」
そう言いながらその人はだんだん歩み寄ってくる。
部屋の灯がついていないこの部屋では余計に恐ろしく思えた。
怖くて…動けない…
家中の戸締りはちゃんとやっていたはず。どうやって入ってきたの?なんで何の気配も無かったの?
?「ふーん。和奏ちゃんとはタイプが違う感じだね?Aちゃん、だっけ?」
なんで知ってるの?
窓から入る月明かりに照らされたその人は私と同い年くらいで、思っていたよりも高い声で私に触れようとする。
この人が彼等が言っていた敵なの?捕まったら何されるかわからない。
「っ…」
?「あ、ちょっと…」
その人をドンと突き飛ばして、もつれそうな足を動かし、階段を転がるようにおりて家の外に出る。
「きゃっ…」
家から出た所で遂に足がもつれて前のめりに倒れた。
?「ちょっとぉ〜、待ってって。」
「い、いや…来ないで…」
足に力が入らない。手だけで必死に逃げようとするけど、上手くいかない。
そんな中でも、その人は近づいてくる。
?「怖がんないでよ。…ちょっと、眠ってもらえればいいだけだから…」
そうやって、だんだん早歩きになって私に近づいできた。
もう…ダメ………
ガンッ!
夜の街に不気味な音が木霊した。
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作者名:L | 作成日時:2017年5月1日 20時