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灰色鰭足鴫 ページ7
重い気持ちを抱えたまま私は階段を上がった。
康「おかえり、Aちゃん。」
キッチンには康二がいて、私を迎えてくれる。
誰かが自分の帰りを待っていてくれる。迎えてくれる。
それがどんなに当たり前ではなくて、特別な事かわかる？
康「今日はお母さん帰ってくるん？」
ドキッとした。今日、ママは帰ってこない。学校を出る時にそう連絡がきていた。
でも、さっきのウィオラの言葉が頭の中で聞こえた。私…邪魔なのかな？
「はい。少し遅くなるって言ってたんですけど…なので今日は帰りますね。」
康「そっか。じゃ、ご飯だけ食べていき。」
「はい。」
康二君は笑顔で、その笑顔を見ていると罪悪感で胸が押しつぶされそうになる。
嘘ついてごめんなさい…康二君…
でも、私どうしたらいいのかわからない。
ウィオラの一言でここまで思ったのは、きっと心のどこかではそう思っているから
だから私は…
康「Aちゃん…？おーい、Aちゃーん？」
「えっ？あ、あぁすみません。何か手伝いましょうか？」
康「そう？じゃあねー…」
何とかごまかせてたかな？
でも、この判断が後に大きな後悔を呼ぶことを私はまだ知らない…
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作者名：L | 作成日時：2017年5月1日 20時
