鶩 ページ6
流星との帰り道で廉君と大吾君、それにウィオラに会った。
ウィオラの瞳は相変わらず冷たくて、でもそれと同じくらい悲しいの。
まるで、助けてって言っているみたいに…
ウィオラの悲しみを取り除いてあげたい。和奏さんの代わりに私はなれないのかな？…なれない、よね…
家の扉を開ければ美味しそうな香りが私たちを包んだ。
流「ただいまー！」
流星の声が響く。
康「おかえりー！」
上からは康二君の声が響いた。
廉「今日も美味そー」
大「せやな。」
口々にそう言って家に上がっていく彼ら。
私も上がろうと靴を脱いだけど、ウィオラは玄関でぼーっとしていた。
どこか遠くを見るような瞳には深い悲しみが映る。
…この人は何を思ってるの？
「…ウィオラ？」
私が呼びかけるとはっとしたように目を見開いて、それから私を見た。
「…ウィオラ…あの…」
紫「…気安く呼ぶなや。」
「っ…ごめんなさい…」
ウィオラの冷たい声がびっくりするくらい心に深く突き刺さる。
ウィオラはそのまま靴を脱いで階段を上がっていった。
…私、本当にここにいていいのかな？
もしかしたら…すごく邪魔なんじゃないの？
だって、私迷惑かけてばっかりだもん
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作者名：L | 作成日時：2017年5月1日 20時
