小綬鶏 ーSho.Hー ページ44
抱くつもりなんてなかった。
俺の心は和奏にあって、抱く女は俺の見た目で寄ってくる奴らだけ。
なのに…
今俺の目の前には急にキスしてきたと思ったら、恐怖と高揚する気持ちを抑えようとしているAがいる。
コイツは汚したくない。なのに…俺に壊されるなら本望？
そんなこと言われて抑えられると思ってんのか？
耳元で囁けばビクッと体を震わす。
どれだけ純粋なんや？
俺の上にいたAを下にして、始める…
俺が触れればあらぬ声を上げるA。
紫「お前、初めてか？」
そう聞くとこくんと頷く。
ほんまは優しくしてやらなあかんねんけど、俺はそんな余裕はない。
自分の欲望をただAにぶつける。
他の女を抱く時には感じなかった感覚。胸が熱くなる。
そう…和奏を抱いている時のような……
………………俺は、コイツを愛おしいと思ってるんか？
でも…俺の指に絡まる指、漏れる吐息、熱い体
全部、全部…離したくない…
「ウィ…オラ…っ…」
甘い声の間に俺を呼ぶ。
紫「ウィオラ、やない…っ…紫耀や…」
「しょお…さん…」
紫「っ…A…」
もうほんまに止まれへん…
、
、
、
紫「…俺を本気にさせるなんて、大した女や…」
隣で疲れて眠るAの頭を撫でる。
俺をこんなに優しい気持ちにしてくれたのはメンバーと和奏と、お前だけやで？
和奏、俺はまた優しくなれるやろか？
お前以外を、愛してもええ？
俺の目には、机の上の手帳が写った。
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作者名：L | 作成日時：2017年5月1日 20時
