小洞燕 ーSUZAKUー ページ39
朱「あーあ…降ってきちゃった…」
今日は大学に用があって、やっと帰ろうとしたらこれだよ。
これは長くなりそうな雨だな…どうしよ。
?「ハルカ先輩!これ使ってください!」
背後から高い声が聞こえてきた。
朱「玄武、下手すぎ。」
玄「なんだよつまんなー」
俺の後ろにいたのはメンバーの玄武だった。
朱「てかさ、俺次一年生。先輩なわけないでしょ。」
玄「ハルカ君は細かいなー」
朱「ハルカ君やめてよ。」
玄武が言うハルカ君とは、俺が学校で使っている「櫻井ハルカ」という名前の事だ。
玄「なんかマンガの主人公みたいな名前だよな〜。俺なんて、山城良典だぜ。」
朱「はいはい。」
そう相づちを打ちつつ家を目指して、二人で一つの傘に入る。
玄武とは天照を結成する前から同じグループで付き合いも長い。
朱「…ねぇ、玄武。」
玄「ん?」
コイツには言っておかなきゃならないことがある。
朱「俺さ、親父から別のグループに移籍しないかって誘われてる。」
玄「は?」
玄武の反応は読めていた。こうなるって思ってた。
朱「移籍するって決めたわけじゃないよ。でも、玄武には言っておきたかった。」
苦楽を共にしたからこそ、玄武は冷静でいられるんだと思う。
玄「…朱雀がいなくなるなら、俺も元の場所に戻る。」
朱「え…?」
玄「そういう事だから。」
玄武はもうニコニコしながらそう言った。
玄武…どういうことなの?
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作者名:L | 作成日時:2017年5月1日 20時