白子鳩 ページ29
春休みの間、着替えやら何やらを全部持ってきてウィンクルムの家に泊まっている。
なんだかはわからないけどお母さんもいないし、ここにいれば康二君が勉強を教えてくれるし、何よりみんながいるから退屈しない。
私の人生で一番楽しい時間かもしれない。
でも…
ウィオラは帰ってこない。ずっと。
康二君は「たまにあるんよ。」って言ったけど、心配。
康二君は全然平気そうだけど、他のメンバーは口には出さないけど心配なんだって分かる。
どこにいるのかな…？
流「…さん、Aさんっ」
「へ！？あぁ、ごめんね。」
流「ウィオラの事、気になりますか？」
「え……まぁ、うん…」
流星は小さな声でそう聞いてきた。
流「ウィオラは…多分思い出しているんです。四年前の事を。」
四年前…
「和奏さんの事？」
流「はい。和奏さんが亡くなったのは四年前の四月でした。毎年この時期になるとウィオラは家を空けがちになります。…こんなに帰ってこなかったのは初めてですけど…」
「…和奏さんってどんな人だった？」
私はずっと聞きたかったことを聞いてみた。
流「…そうですね………優しくて、面倒見が良くて…なんとなく、Aさんに似ていました。」
「私に…？」
流「はい。僕はすごく可愛がってもらいました。」
「そっか…」
ウィオラは思い出したくないんだな…
だから、帰ってこない…
やっぱり、私は邪魔者？
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作者名：L | 作成日時：2017年5月1日 20時
