大背黒鴎 ーKIRINー ページ23
麒「白虎〜！早く〜！」
何も無い普通の日の昼間。
俺たちはいつものように院長に言われた仕事をこなして、院に帰る所だった。
白「待って！ねぇ、俺一番年上…」
朱「ジャンケンで負けたヤツが全員の荷物を運ぶって言い出したのは白虎じゃん。」
玄「白虎頑張れー」
青「白虎ー！頑張れー！」
俺たちは《天照》。全員孤児院出身で院長に仕事を貰って生活している。
朱「そう言えば聞いた？インクブスがまたウィンクルムにケンカを吹っかけたって…」
院には俺たちの他にも何個かのグループが存在している。《インクブス》も《ウィンクルム》もその一つ。
まぁ、《ウィンクルム》は少し違うんだけどね。
青「アイツらまた？昔はそんなことする奴らじゃ無かったよね？」
玄「ディアプトラでしょ？アイツ院出身じゃないのになんで院長は入れたんだろ？アイツが来てから調子狂うんだよね。」
みんなの言い分は分かる。院出身じゃない奴なんて今までいなかった。そのくらい院長に気に入られてるのかな？
玄「なぁ、麒麟？俺たちでアイツらやろうぜ。」
麒「やんない。俺らがやるのはここぞの大切なところだけ。」
玄「んー…」
玄武は不満そうに石を蹴った。
正直、メンバーが傷つくところは見たくないし…
朱「玄武〜、拗ねんなよー」
朱雀はそんな玄武の様子を楽しそうに笑っている
白「ほんと…待って…」
青「あ、白虎忘れてた。」
後ろの方で動けなくなっている白虎。すかさず俺以外の三人が駆け寄る。
玄「全く…白虎はー」
そうは言いつつ助ける三人。
俺はこの四人と居られたら、他には何もいらない。
麒「白虎大丈夫ー？」
五人で笑い合えるこの時間がいつまでも続くなら俺はそれでいい。
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作者名：L | 作成日時：2017年5月1日 20時
