巴鴨 ーRen.Nー ページ19
朝。いつも通り目を覚ましてリビングにおりるとじーこがなんや神妙そうな顔でケータイを見ていた。
流星は学校。大吾と紫耀は出かけてるのか、寝てるのか、リビングにはじーこだけ。
廉「おは。どうしたん？」
康「ん？あぁ、廉か。おはよ。Aちゃんと連絡が取れんくてな。紫耀も連絡つかんし…」
廉「どういうことや？昨日から紫耀帰ってきてへんの？」
たしか昨日Aを送ったのは紫耀だった。俺はAを見送ってすぐ寝てもうたからその後のことは知らんけど…
康「いや、Aちゃんを家に送ったって連絡は着てたんやけどな。……昨日の紫耀はなんやおかしかったし…」
そう言うじーこ。たしかに俺も感じた。
廉「………なんか、必死な感じやったよな。絶対に俺が行く、みたいな…」
康「おん。…なんかあったんかも知れへん。」
こないだの大吾の事もあったし…心配や。
廉「俺、行ってくる。」
康「Aちゃん家にか？」
廉「おん。行ってくる。」
Aになんかあったら…俺は今度こそ立ち直れなくなる。
もう、後悔しないために。
康「…気いつけてな。第一優先は廉、お前自身や。」
いつもはふざけてばっかりのじーこの真面目な顔。それは俺の事を本気で心配してくれているから。
廉「…おん。分かってる。もう、じーこに悲しい思いはさせへんよ。」
ロセウスの分まで俺はじーこの傍に居る。そう誓っている。
扉の外は小春日和の優しい光に満ちていた。
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作者名：L | 作成日時：2017年5月1日 20時
