小鷺 ーSho.Hー ページ16
しばらく街を歩いた。
こんな明るい時間にこう街を歩くのは何年ぶりやろう。
仕事はいつも夜。昼間は家にいるか、女の家にいるかのどちらか。
平日の街はのどかで穏やかやった。
夜の殺伐とした雰囲気が嘘のようや。
胸のもやもやしたものが…なんて言うか…無性にイラついた。
そうして、気がつけばケータイを取り出していつもの番号にかけている。
ワンコールで星那は出た。
星「もしもし?どうしたの?紫耀?」
全てを理解してコイツはそう聞く。
紫「…今から行く。」
星「わかった。待ってるね?」
ムカつく声をかき消すように電話を切った。
星那が俺を拒んだことは出会ってから四年が経つが一度もない。
アイツはいつも家で俺からの連絡が来るのを待っている。
アイツ以外にもたくさんの奴を抱いた。
みんな、星那と同じだった。
見た目でしか人を見ていない人間やった。
でも、今はそれでええ。
気持ちが入ったら、和奏を抱いていた時のあの、熱い気持ちが甦ってくるから…
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作者名:L | 作成日時:2017年5月1日 20時