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89 廉sied ページ40
新幹線の中。
目の前にAがいる。
ずっと下を向いていて、大吾とたまに話しているけど、ぎこちなく笑うだけ。
隣を見ると麗美が俺の手をぎゅっと握って、眠っていた。
廉「桜木さん、大丈夫？」
話しかけてみる。
「え…あ、うん。永瀬君が助けてくれたんだよね。ありがとう。」
廉「いや…無事でよかったわ。」
あ…俺、あの時もAに『よかった』って言ったっけ？
あぁ、俺はまたAを想っている。
なんで俺は今になって思い出してもうたんや。
いっその事、ずっと思い出さなければ…
いや、ダメや。
そんなんで助かるのは俺だけ。
Aも大吾も流星も…傷ついたまんまや。
俺は逃げることしか考えてないんか？
自分が嫌になってくる。
隣の麗美の手をぎゅっと握ると、またAを裏切っている気がした。
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作者名：L | 作成日時：2016年1月18日 21時
