Recollection3 ページ3
しばらくの間、彼女は苦しそうに咳込んでいた。息遣いは荒いが、ようやく落ち着いてきたところで、鉛のように重い首を動かし周囲を観察する。二回ほど回ったところで、彼女の目が濃い影を落とした洞穴を捉えた。
考える暇などなかった。いや、考える必要などなかった。本能が叫ぶのだ。あそこに隠れなければ終わると。ならば動くしかないと。本能だけでなく体中の全細胞も叫んでいた。急かすように巡る血液の音がどくどくと鳴り響き、彼女の聴覚を独占した。
ごくりと唾を飲み込み、彼女は意を決して満身創痍の体に鞭を打ち、洞穴目掛けて走り出した。
それは「走り」とは言えないものであった。よろよろと頼りない足取りで蛇行しながら近づいて行き、今にもつまずいてしまいそうだった。だがつまずくことなく洞穴へと彼女は辿り着いた。まさに奇跡であった。
糸の切れた人形のように足元から崩れ落ち、吸い込まれそうな洞穴の闇に倒れ込む。体が地面に強く打たれた衝撃で、彼女は苦しそうにうめいた。
黒いゲソ、黒い衣服に身を包んだ彼女なら、この闇に身を預けている限り見つかることはないだろう。体を縮こまらせて、闇にすっぽりと全身を収めた。そうして、ようやっと彼女は安堵のため息をついた。まだ息継ぎは苦しいが、しばらくここで休めばいい。ここならきっと“彼ら”にも見つからない。
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ユメコ(プロフ) - 抹茶餡子さん» すごい時間かかってでも完結させたい意向 (10月27日 8時) (
レス) id: a15a19cfdf (このIDを非表示/違反報告)
抹茶餡子(プロフ) - 生きてた！！！！！！？？？？？？久しぶり！！！！ありがとう！！！！！！(餡子) (10月27日 6時) (レス) @page4 id: fcff9db541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユメコ | 作成日時：2021年4月25日 6時
