月と絆と正義と夜と (ページ26)

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さようならページ26

「とりあえず．．．逃げるぞ！！」

ルフィは山賊の男によって抱えられる

ダダン達が入り口に向かって走り出す

しかし、エースだけがその場でセレーネを睨んでいた

「俺は．．逃げない」

「ふふ．．ほーんとそういう所．．〝ロジャーにそっくりねぇ？〟」

「！？」

セレーネはそんなエースをみて笑う

ローはただただエースを睨んでいた

「お母さんを殺した後、仲間達を逃がすためにロジャーは逃げなかった」

「っ！！」

それを聞いて、エースは顔を歪める

鉄パイプを握る手が震えている

「お、俺も．．」

「ダメだルフィ！！！」

ルフィも闘おうとすると、山賊の男に引き留められる

「お前ら、ルフィを連れて先に行ってな」

言ったのは、ダダンだ

「エースはあたしが．．責任持って連れて帰る！行け．．！！」

「は、はい！！」

「お頭！！必ず帰ってきてくださいよォ！！」

ダダンが促すと、山賊の男達はバッと走り出す

「．．どうする？ドフィ」

「フッフッフ．．軽く相手をしてやれ。」

「．．わかった」

セレーネも戦闘体勢に入る

「本当は傷つけたくないんだけど．．．ちゃんと避けてね？フレイム・イラプション(炎の大噴火)！！」

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「．．．ふー、これくらいかな？」

セレーネの足元には、ダダンとエースが倒れていた

「．．セレー、ネ」

エースが顔を上げてセレーネをみる

見ると、セレーネの手の中で糸が張ってあった

「何するき．．だ」

「ん？大丈夫大丈夫。〝私を記憶から消すだけだよ〟」

「！！」

そのセレーネの言葉に、エースは目を見開く

「止めろ．．」

「．．メモリー・イーレズ(記憶消去)．．」

セレーネが唱えると、セレーネの手の中の糸がプチンッと切れる

瞬間、エースの意識が遠くなる

「．．セレーネ．．！」

「ごめんね．．エース。さようなら」

それを最後に、エースは意識を失った

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翌日

エースとダダンは無事小屋に帰ってきていた

「エース．．お前、何であんとき逃げなかった。」

包帯で全身を巻かれたダダンが聞く

「．．時々、カッと血が上るんだ。逃げたら何か、大きな物を失いそうで怖くなる。あの時は．．．ルフィと、〝誰か〟がいた」

誰か

その誰かが思い出せずにいた

「．．オメェも、誰かがわからねぇのか」

ダダンはふぅっとため息をついた

「．．．」

エースは、思い出せない自分に苛立ったが、何もできず握り拳をつくった