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木曜日2 ページ30

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you side


「イルカショー、久しぶりに見たなぁ」

『私も久しぶりに見たや。めちゃめちゃ感動した』

「ね!じゃああとはゆっくり回ろっか」

『そうだね』


閉園まで残り2時間。モトキくんはちらっと時間を確認して、私に向かって左手を差し出した。


「…手、繋ご」

『えっ』

「え、嫌…かな…?」

『いや、その…いいの?』

「もちろん?繋ぎたい、リンちゃんと」


差し出された手に自分の手をそっと重ねた。あったかい。目元しか見えてないけど、いつも通りにふにゃりと、優しく笑ったモトキくん。

そのあとゆっくりと水槽を見ながら回って。

ゆっくりと過ぎていくその時間がとても心地よかった。

クラゲとか、チンアナゴとか、カクレクマノミとか。可愛くてキラキラしていて、綺麗で、心が満たされる。


『っわあー…すごい』


なんて、思わず声が出てしまったのは、この水族館のメインである大きな、大きな水槽。その中を多くの種類の、たくさんの魚が悠々と泳いでいる。

携帯を取り出して、写真を一枚。画面いっぱいの水槽、本当に海の中にいるみたいな、そんな感覚におちいる。


「リンちゃん、写真撮るの、好き?」

『うん、大好き』

「メンバーにさ、写真とか撮るの好きなやつがいるんだけどさ」

『マサイさん?』

「正解。マサイが、言ってたことがあって。楽しかったものとか綺麗なものの、その一瞬を形としてとっておきたいって。だから、形としてとっておける、写真とか動画は良いって。今ならそれ、すげーわかるなぁって、思って」

『…形として、とっておける』

「リンちゃんの写真撮ってもいーですか!」

『、わ、たしもモトキくんの事…撮っていい?』


初めて、一緒に水族館にきた思い出に。


「かっこよく撮ってよね」


なんて冗談交じりに笑いながらモトキくんは顎までマスクを下げて、水槽へと視線を戻した。

ーーーパシャ

こうして、自分の携帯でモトキくんを撮るのは初めてだった。自分の目で、見ている空間を切り取ったものが、携帯の中に残る。


『ふふ、すっごい、ぽい写真撮れた』

「見せて見せて」

『ほら、ぽくない?』

「ふふ、ぽいね」


大きな水槽と、その水槽の中の魚たちを眺めるモトキくんの横顔と。

すごくいい写真が撮れた。


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レモン - とても面白いです!私、モトキ君推しなので楽しめています。これからも体調に気をつけて頑張ってください! (2020年4月5日 16時) (レス) id: bbd6f120f3 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 善処さん» 更新遅くなってしまって申し訳ないです……!そう言っていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます、更新がんばります! (2020年2月18日 12時) (レス) id: 828ff03d5d (このIDを非表示/違反報告)
善処(プロフ) - 何度もスミマセン。kikiさんの書かれるモトキさんの雰囲気が柔らかくて凄くときめきました…kikiさんのペースで大丈夫ですので、続き楽しみにしてます。 (2019年12月20日 17時) (レス) id: 977f9d8c0c (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 善処さん» 善処様。嬉しいコメントありがとうございます…!嬉しいです、更新頑張れます。 (2019年12月12日 21時) (レス) id: 63f36c01d5 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ゆりりんさん» ゆりりん様。ありがとうございます…!のろのろ更新ですが、これからも更新頑張ります! (2019年12月12日 21時) (レス) id: 63f36c01d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiki | 作成日時:2019年9月19日 23時

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