【Fischer's】おはようと笑う君

土曜日４ ページ14

_
you side


「じゃあ、ごめんね、いってきます」

『ううん、いってらっしゃい』


公園から帰って来た後、支度を済ませたモトキくんを玄関先でお見送りする。きちんと戸締りをして、部屋主のいなくなった部屋でソファーに座る。

…すごい、静か。

日付が変わっちゃうかも、とモトキくんは言っていた。今が18時過ぎだから…うーん、何しよう。

好きにしてていい、と言ってくれていたし…よし、と思いたってキッチンへ移動する。

見させて貰います、と心の中でモトキくんに向けて一言。一人暮らしの男性って…どのくらい料理するんだろう…。シンクとガス台の下や、食器棚の中、冷蔵庫の中を見させてもらって…大体の調理器具やお皿は揃っていた。

近くのスーパーを検索して、家を出た。

出かけたくなるかもしれないから、と合鍵を渡してくれたのでそれを使って鍵を閉める。

探してみると案外近くにあって、あまり買うものもないけど、そんなに遠くなくてよかった。

お気に入りの音楽を聴きながら、見慣れぬ街を歩く。…たのしい、こういうの大好き。スーパーに着いて、今日の夜食と、明日の朝ごはんの材料を買う。
料理は好きな方だった、一人暮らしだけど割と自炊もする。…誰か男の人に料理を作ろうなんて、お父さんぶり…？

必要な材料を買って、モトキくんの家に戻る。


『よっ…し、やるか』


食べないかもしれないけど、…帰ってきた時にお腹空いてたらあれだもんね。

そう思って、お米をとぎ始めた。


_

土曜日５→←土曜日３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す