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僕がいるところは、対悪魔を目的として国家の公安警察によって構成された組織。つまり国のデビルハンター組織で、民間では手に負えない強力な悪魔の駆除を目的としている。組織の中の殆どが悪魔に愛する人を殺された復讐目的で入社しているため、ここの人達と自分は温度差が違うということは割と初日から気付いていた。
さて、ここで僕が何故ここにいるのか紹介しておこうと思う。
僕は怨恨は特に持ち合わせていない。
むしろ怨恨を持たれる方だと思う。
暗殺一家に生まれて色々仕込まれ、命を奪った。
そんな人生の感想は、退屈。
本当に人間とは弱い生き物だなと常々自分の腕が上がる度に退屈していた。そんな時に言霊の悪魔に気に入られて契約を結んだ事によりさらに力が上がった。
そんな時に野良で変な生き物とデビルハンターをやっている少年を助けてからあんな生き方もあるのかと思って思い切って転職した。
暗殺者からフリーランスのデビルハンター。
いやほんと悪魔って簡単には死なないし、ちゃーんと抵抗してくれる。もっと肌がヒリついて死を間近で感じられる殺試合がしたい。
でもそんな夢を追いかけていると気づけば一文無しでその日暮らしになっていた。
あの日も鰐の悪魔を空に投げて、お気に入りのサバイバルナイフで八つ裂きにして血の雨を降らせていた時である。この時は言霊は使わなくても楽勝。
すると背後にいつの間にか誰かが立っていて、ぎょっとした。
「君凄いね〜。良かったら私達の所で働かない？」
「え？誰？」
「私はマキマ。公安所属になると民間では扱わないつよーい悪魔にも会えるよ」
「つよーい悪魔…」
「そうそう。ちなみに福利厚生もお給料も良いし。衣食住も提供するよ」
「公安か…」
ふむ。とAはのんきに顔をひねった。合法的に武器や死線の最前線に行けることに魅力を感じた。
「マキマさん、何して…ッ何だここ?!」
マキマと名乗った人物の後ろから高い位置で髪をくくった男が現れて血の匂いに鼻を押さえた。
二人ともスーツに身を包んでいる。いわゆる制服というやつか。
いいなぁ、制服。
「公安に来れば制服あるよ。格好いいよね」
「…まさかこいつを入れるつもりなんですか」
マキマの隣の男がすごく嫌な顔をする。Aが返事をあぐねていたら、マキマがパシャ、パシャと血の中を歩いてAの目の前にやってきた。
「どうする？暖かいご飯もあるよ」
「じゃ行きます」
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作者名：アバランチ | 作成日時：2023年7月10日 12時
